つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

c3_中編(15冊以内)

全10冊の名作 ~ THE MOMOTAROH

総合評価・・・3.86 新人のジャンプ初連載作品として、あまりに高い完成度を誇るギャグレスリング漫画であり、笑える、泣ける、盛り上がる、と無駄な展開はなく全10冊でキレイにまとまった稀有な作品。それが本作「THE MOMOTAROH」である。 ブログ主の中で「…

作者の観察眼 ~ 天才ファミリー・カンパニー

総合評価・・・4.10 古くからの二ノ宮知子ファンなのでほぼ全ての作品を読んでいるわだが、知名度でいえばやはり「のだめカンタービレ 」には劣るが、一番好きな作品をあげろと言われれば絶対に外せないのがこの「天才ファミリー・カンパニー」である。 作品…

偽札のロマン ~ ハイパーインフレーション

総合評価・・・3.60 最近は社会全体がお金大好きなので当然にマンガ業界もこのジャンルに目を向ける事になり株式、FX、不動産と様々な経済ジャンルのマンガが増えてきたわけだが、その中でも圧倒的なオリジナリティを誇った怪作が本作「ハイパーインフレー…

憤懣と反骨心 ~ 黒髪のキャプチュード

総合評価・・・3.54 さて2012年にレビューした本作を十数年ぶりに読み返してみて、やっぱり名作だったので過去記事をリライトする事にした。以下、今までのリライトシリーズ同様にネタバレ含むので未読の方はお帰りください。黒髪のキャプチュードという作品…

日和見主義と革命 ~ 静粛に、天才只今勉強中!

総合評価・・・3.68 年始一作目はレア作品ということで我が家のマンガ倉庫の中でも希少性が高いと思われる本作を久しぶりに引っ張り出してくる。なんとも懐かしい月間コミックトムと希望コミックスである。月間コミックトムといえば、三国志や風雲児たちとい…

他者との交流 ~ 違国日記

総合評価・・・3.80 「花井沢町公民館便り」以来の久しぶりのヤマシタトモコ作品だったが非常に良かった。個人的には作者の最高傑作に位置付けたい。その理由はこの作品の主題が「他者との交流」にあるからだ。本作の主人公は、交通事故で突然両親を失った中…

ライオスだった九井諒子 ~ ダンジョン飯

総合評価・・・4.52 2014年から連載開始されたダンジョン飯が全14冊でついに完結したのでレビュー。さて最終の13巻と14巻は2冊同時刊行という事で、この奔放な作品がどのように完結するのかハラハラしていたが見事にまとめ上げてみせた作者の腕前に感服であ…

寮生活への憧れ ~ ここはグリーン・ウッド

総合評価・・・4.00 学園ドタバタコメディ+恋愛、みたいなジャンルが最も好きなわけだが、個人的にその源流となっている作品が少年マンガなら「うる星やつら」であり、少女マンガだと本作「ここはグリーン・ウッド」なのだと思う。少女マンガも面白いな、と…

エロス系JK ~ フラレガール

総合評価・・・3.48 お色気JK「赤坂さん」と天然男子「青山くん」のラブコメ、というよりギャグ寄りのエロコメ作品。ヒロインの赤坂さんは先日レビューした兄友のヒロインとは真逆の存在で、ついたあだ名が愛人という困った存在。このあたりの作品の幅の広さ…

ウブウブラブコメ ~ 兄友

総合評価・・・3.42 本作は作者「赤瓦もどむ」の初オリジナル連載作品で、所帯じみたヒロイン「七瀬まい」と、女の子慣れしていない兄の友達「西野荘太」のペアによる全10冊の恋愛ラブコメである。花ゆめ45周年記念の作者インタビューでも語られている通り、…

ポンコツロボコメディ ~ ぽんこつポン子

総合評価・・・3.54 作者「矢寺圭太」の「ずっと青春ぽいですよ」が最近お気に入りなので、同じ作者のぽんこつポン子のレビューを書くことに。頑固な独り暮らしのおじいさん「吉岡」のもとにやってきた30年前の型落ちメイドロボット「ポン子」、といういかに…

画力とマンガの天秤 ~ KEYMAN

総合評価・・・3.46 アメコミやアート的といったレビューが並ぶ本作だが、作品自体はそこまで大味の海外型作品ではなく、しっかり日本のファンタジーマンガである。ただし、非常に評価が難しい作品。特に画力の面の評価が難しい。とにもかくにも線の太さと濃…

変化する顔と物語 ~ 星野、目をつぶって。

総合評価・・・3.34 読み終わってもレビューに手を付けていない積んでる作品が多くなったので、多少振り返ってレビューという夏休みの宿題に取り組むことにする。 メイクをすると美少女に変身するヒロインの星野と、自分ではメイクできない星野を手伝うこと…

転職の指南書 ~ ボクらはみんな生きてゆく!

総合評価・・・3.74 正直、山賊ダイアリーを超えるサバイバルマンガにはもう出会わないのではないかと思っていたのだが、ついにそれを超える作品が出てきてくれた。それが本作「ボクらはみんな生きてゆく!」である。全6冊と少し短めの完結となってしまった…

現実路線ファンタジー ~ 放課後!ダンジョン高校

総合評価・・・3.24 入学した離島の高校には、謎のダンジョンと怪物とお宝が・・・という、なかなか面白そうなファンタジー設定で始まる作品だが、正直、評価が非常に難しくわりと辛口レビューなのでファンの方はそっ閉じで。 さて、全11冊のうち8巻までの第…

元祖ジビエ料理 ~ 山賊ダイアリー

総合評価・・・3.52 こちらも久しぶりに書庫から引っ張り出してきて再読。やはり面白い。1巻の発売が2011年という事で、既に連載開始から10年以上が経過したことを考えても、本作が狩猟とジビエ領域のマンガとして当時最先端を走っていたことは間違いないだ…

ネット黎明期の傑作 ~ 師匠シリーズ

総合評価・・・3.82 恐怖短編やSF短編といった作品群が大好物のブログ主なわけだが、近年の短編オカルト作品の中では、最もお気に入りなのがこの作品。インターネット黎明期の2003年頃から原作者「ウニ」が2ちゃんねる掲示板等に投降した一連の原作小説がコ…

恋に憧れた主人公 ~ 高校デビューから素敵な彼氏

総合評価・・・3.78 デビューから圧倒的に名作を作り続けて、かつ、連載のたびに時代に合わせたキャラ作りができる作者というのは、やはり天才であって、それが「河原和音」なのである。というわけで、部活少女が恋愛にデビューするという斬新な設定で一世を…

また名作が一つ・・・リボーンの棋士

総合評価・・・3.74 リボーンの棋士が全7冊でついに完結してしまった。打ち切りと思わざるを得ない中盤の急展開から、よくぞここまでまとめきった、という綺麗な終わり方だった。6巻の時点で次巻完結という衝撃の告知が出ており、これだけ面白いマンガをなぜ…

ふしぎの国の有栖川さん

個人的にハル×キヨが好きだった「オザキアキラ」作品である。 大切に育てられた箱入り娘で恋愛に超鈍感な主人公「有栖川鈴」と、いつもやさしい完璧イケメン、野宮くんとのラブコメディ。なんともストレートな少女漫画で、序盤は恋愛と無縁の主人公の慌てぶ…

ベクター・ケースファイル 稲穂の昆虫記

以前から気になっていたが、なかなか読めなかった本作をついに読了。タイトルの通り、昆虫というレアなテーマを真面目に掘り下げた秀作で、チャンピオンRED連載故にエロシーンを挟まずにはいられなかったのだろうが、そんな要素を抜きにして、青年誌辺りでし…

銀の匙 Silver Spoon

北海道の農業高校を舞台にした学園青春コメディ作品がやっとこさ完結したということで、全巻集めて読み直すことにした。作者「荒川弘」は言うまでもなく現代最高峰のマンガ家の一人で、「鋼の錬金術師」終了後に始まった本作の面白さと、そのジャンルを問わ…

美大受験戦記アリエネ

書きたくない、しかし読んでしまったからには書くしかない。完結したのにずっと読んでいなかったアリエネに、ついに手を出してしまった。 このブログの作品レビューでは総合5点満点を「圏外」と称していて、「圏外」扱いにする作品は2つだけと最初から決め…

マルドゥック・スクランブル

原作未読なのだが、各種のレビューを読む限り、原作の面白さを完全に再現したコミカライズとはいかなかったようである。近未来SFと残虐なサスペンスとシュールさを交えた世界観が、どうにも淡々として描かれてしまっており、それ故に、途中で挟まれるギャン…

迷走王ボーダー

原作「狩撫麻礼」、作画「たなか亜希夫」のベテランコンビにおける代表作ともいえる本作。バブルの時代の世相に背中を向けるように、境界線上の「あちら側」の人間の生き様に唾を吐いて、ただひたすらに奔放に生きる主人公、蜂須賀。序盤こそまだキャラが固…

刻刻

全8冊。近年のマンガ作品の中では、その構成とオリジナリティにおいて、群を抜いている、鬼才「堀尾省太」の傑作である。レビュー自体は、何を書いてもネタバレになってしまうほど、独特な内容の物語なので、未読の方は、何も考えずに、まずは手に取るのが良…

あせびと空世界の冒険者

非常に丁寧に冒険ファンタジーを描いていた本作が、急遽10巻で完結してしまい、ショックでしばらくレビューを放置していたが、久しぶりに再読。COMICリュウ休刊のあおりをうけてしまったのかわからないが、急ピッチで今までの伏線を最終巻で回収しており、こ…

1/11 じゅういちぶんのいち

一時期話題になった本作を今更ながら読了。サッカーマンガというより、一人のプロサッカー選手の人生に関わった登場人物達を描いたオムニバス形式のヒューマンストーリーという構成の本作。特に、序盤の面白さは抜群で、ストレートすぎるほどの感動作品とし…

成恵の世界

成恵の世界の連載開始が1999年だったという事に、レビューを書いていてちょっと衝撃を受けた。 それもそのはず、最終13巻が出たのが2013年なので、あしかけ13年で13冊の単行本という、超スローペースの作品だ。 作者の妄想の赴くままに、ひたすら学園ラブコ…

ハイスコアガール

作者「押切蓮介」の人生においても、忘れられない作品になったであろう本作もついに10冊で完結である。この作品の評価に関しては本当に難しい問題で、最終10巻の終わり方に関してはとても納得できるレベルではないのだが、仕方ないのである。なぜなら、この…