つれづれマンガ日記 改

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ベクター・ケースファイル 稲穂の昆虫記

以前から気になっていたが、なかなか読めなかった本作をついに読了。

タイトルの通り、昆虫というレアなテーマを真面目に掘り下げた秀作で、
チャンピオンRED連載故にエロシーンを挟まずにはいられなかったのだろうが、
そんな要素を抜きにして、青年誌辺りでしっかり連載しても
良かったのではないかと思わせる専門系の作品だった。

全てにおいて、何らかの虫が登場して物語が展開するわけだが、
そんな困難な縛りにも拘わらず、10冊もネタが続いたのだから
原作「藤見泰高」の知識量に脱帽である。

グリーンプラネットという害虫を使って社会に混乱を巻き起こす集団の
設定もマンガ的で面白かったのだが、こちらは最後まで伏線回収されずに、
主人公の父親の話とあわせて打ち切り的に終了している点が残念。

地味かもしれないが、昆虫系の本格連載が一つぐらいあっても、
良いのかもしれないと「昆虫ジャンル」に将来性を感じた作品である。

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