2010年代女性系
『サトコとナダ』はムスリム文化を押しつけず描く異文化友情譚で、適切な距離感と日常の楽しさ、学びが自然に染み込む。
さめない街の喫茶店は絵と世界観が主役。街の空気と光、料理の質感まで濃密に描き切る一方でドラマは控えめ、雰囲気重視の人向け。
ゼッタイドンカンは等身大の恋と成長を、軽やかな筆致で二人だけの時間軸に描く佳作。揺れる距離感と自然な構成が心地よく余韻が残る。
BUTTER!!!は高校社交ダンス部の等身大の痛みと眩しさを描く青春群像。立体的な人物と5巻の大会の熱量が光り、余白を残す終幕は好みが分かれるが魅力十分な一作。
違国日記は他者との交流を静かに描く対話劇で、朝と槙生の共同生活が感情の機微まで伝え、抑制された筆致が最終巻で深く響く名作です。
『ダンジョン飯』完結レビュー、魔物を食す発想と緻密な構成、仲間の魅力、悪魔との決着まで“食”で貫く冒険譚を総括し、料理描写の説得力と世界観の広がりも語り、名作の余韻も味わえる。
フラレガールは赤坂さんと青山くんが暴走気味に駆け抜けるギャグ寄りエロコメで、発想の跳躍と小気味よいテンポが魅力の痛快ラブコメ
兄友は恋愛初心者の二人が不器用に距離を縮める学園ラブコメで作画の幅とギャグの軽さが読みやすさを生み王道の甘さも味わえる
編集者・黒沢心と中田伯の成長を通じて出版現場の喜びと苦みを描く『重版出来!』。10年20巻の締めも鮮やかな業界ドラマ。
河原和音『素敵な彼氏』再読レビュー。『高校デビュー』比較、ののか×桐山の魅力と初キス回収、人物描写の進化や現代的な距離感まで整理。甘すぎる恋で癒やされたい人におすすめ。
75歳の女性と女子高生がBLでつながる『メタモルフォーゼの縁側』。繊細な非言語表現と穏やかな関係性が静かに刺さる、読後爽やかな名作。
初心者が泥臭く成長する王道と、薙刀という新機軸の魅力。中盤以降の構成の難や大ゴマ偏重も含め、長所短所を丁寧に検証した完結作『あさひなぐ』のネタバレ感想レビュー。
個人的にハル×キヨが好きだった「オザキアキラ」作品である。 大切に育てられた箱入り娘で恋愛に超鈍感な主人公「有栖川鈴」と、いつもやさしい完璧イケメン、野宮くんとのラブコメディ。なんともストレートな少女漫画で、序盤は恋愛と無縁の主人公の慌てぶ…
パレス・メイヂ 番外編~陛下のプロトコール~【電子限定おまけ付き】 (花とゆめコミックススペシャル) 作者:久世番子 発売日: 2020/03/18 メディア: Kindle版 近年の宮廷系ロマンスとしては最高峰といえる「パレス・メイヂ」の番外編もついに完結という事で…
最近は、出版できる人の裾野が広がったおかげで、色々なエッセイ作品が読める。その中でも特にジャンルができつつあるのが、この「宗教に染まっていた人生」を見返す作品である。 これが、なかなか面白いドキュメンタリーで、他者から見るとなぜそんな人生に…
作者「山本さほ」の人生を決めたといっても過言ではない本作が、全5冊でついに完結したが、個人的には残念な最終巻だった。正確には確かに面白い作品だったけど、最終巻は正直、この倍ぐらい面白くできたんじゃないか、と思ってしまう。それぐらい4巻の最後…
非常に気に入っていた本作も全7冊でついに完結である。ここ十数年変化が見られなかった、学園少女マンガにおける理想の男性像をメガネの主人公に置き換えたのだから、作者「安藤ゆき」の偉業はもっと称えられるべきだろう。実際問題、この造形のキャラクター…
ネムキの出すマンガは、他の雑誌では味わえない面白さを持つ作品が多いので、個人的には好みである。そして、そんな独自路線という意味で、完全にわが道を歩んでいた中国の仙道を描いた本作も全4冊であえなく完結である。「仁木英之」の原作小説は何冊も出て…
ベテランが自分の持つマンガ力のままに、哲学的なテーマを奔放に描くと、ここまで作品がとっ散らかるのかとある意味、驚愕する作品。作者「槇村さとる」お得意の、働く女性をテーマにした作品で、主人公「入江みどり」は人気アナウンサーとして、キャリアの…
「入江喜和」ほどスポットライトの当て方が特殊なマンガ家も少ないだろう。最近始まった新連載もそうだが、本作は45歳のヒロインという設定で、非常に地味な主人公の日常を描いている。ただ、地味な主人公が面白くないかというと、マンガとしては全く逆で、…
女性の酒飲みマンガ家として、その地位を完全に確立した作者「新久千映」のお酒マンガである。今回のテーマは、家でのお酒という事で、食べ歩きジャンルではなく、様々な家の中でのお酒との過ごし方が描かれている。酒飲みが酒とつまみを楽しむというジャン…
ベテラン「森本梢子」の腕が冴え渡る、異色のラブコメ作品。冴えない会社員の主人公「木絵」が、風邪で会社を4日休んでいる間に現れたのは、海外支社帰りのイケメン社員の王子様。 と、ここまでは如何にも王道少女漫画だが、その王子様が実は人の心を読める…
なかよし連載の少女マンガとしては、完全にギリギリのラインを攻めた唯一無二のサバゲーギャグ少女マンガ。この辺りのテーマ選びののセンスは、流石に一度ヒット作を出した「松本ひで吉」だけの事はある。学園内で絶大な人気を誇る「鳳美煌」に無理やりサバ…
読む前からどんな悲惨な結末になってしまうのかが恐ろしくて、なかなか手を出せなかった本作をついに読了。まえがきの段階から既に不穏な要素だらけで、いつ不幸が訪れるのかびくびくしながら読んだが、結果としては、想定する限り最も幸せな結末だったので…
「高野雀」の同人誌時代の初期作品集である。大型新人として、「さよならガールフレンド」で鮮烈なデビューを果たした作者だが、流石に初期作品群という事もあって本作のクオリティ自体は並。ただし、表題作の「あたらしいひふ」は非常に面白く、服というテ…
「有川浩」の有名な原作小説をコミカライズした本作。検閲により本が狩られる時代、メディアを規制するメディア良化委員会と、それに対して図書館の自治を守る図書隊の対立という、なかなか突拍子もない設定が、ある意味マンガの世界に非常にマッチしている…
全1冊完結の、仕立て屋物語 「宇仁田ゆみ」が描くにしては珍しく、天然で可愛らしさだけが取り柄なおバカ主人公「ななこ」と、仕立て屋の師匠「ヒラタ」のほんわかしたやり取りを描いた作品。 アマゾン等を見ると、案外酷評が並ぶが、このレベルの作者が描い…
人とは違うオリジナリティを持ちながら、人間描写が巧みなマンガ家はすべからくスラム出身ではないだろうか。 そんな不謹慎な想像を裏づけしてくれる本作「スラム団地」 作者「松田奈緒子」の幼少時代の団地での生活を描いた作品だが、その後の作者の描くマ…
Webバナー等で度々広告が出ていた本作。見た感じエッセイ系の要素が強そうで、エロ作品ではなさそうだったので購読。結果としては、確かにリアル風俗嬢日記というタイトル通りの作品だった。作者「Ω子」自身が現役の風俗嬢で、お店に来た人との体験や経験を…
魔法使いの娘シリーズが終わってしまったせいで、「那州雪絵」のサスペンス作品が読めなくなってしまったわけだが、この度、ホラー短編集が発売される事になって歓喜。全6作品ほどが収録されているが、今回も非常に面白い。表題作「私のともだち」も良いが、…