つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

たそがれたかこ

入江喜和」ほど
スポットライトの当て方が特殊なマンガ家も少ないだろう。

最近始まった新連載もそうだが、
本作は45歳のヒロインという設定で、
非常に地味な主人公の日常を描いている。

ただ、地味な主人公が面白くないかというと、
マンガとしては全く逆で、
世の中には世界を救うマンガが溢れかえっているので、
逆に、熟年女性が自分の人生について考えるような類のマンガは
相当に珍しく、それ故に面白いのである。

母親との同居や、別れた旦那の元にいる娘の病気や、
様々な日常のストレスと自分の過去や未来への希望。

最終10巻は、この主人公でなければ非常に残酷なラストにも見えるが、
45歳という年月を経た人生の先から見ると明るい物語に思えるのだから面白い。
その辺りが最終巻の表紙のオレンジ色の背景なのだろう。

渋めの良作である。

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