ベテラン「森本梢子」の腕が冴え渡る、
異色のラブコメ作品。
冴えない会社員の主人公「木絵」が、
風邪で会社を4日休んでいる間に現れたのは、
海外支社帰りのイケメン社員の王子様。
と、ここまでは如何にも王道少女漫画だが、
その王子様が実は人の心を読めるとしたら、どうなるのか。
王道の設定に異色の能力を加える事で、
何とも言えない味の作品に完成させたところがスゴイ。
特に、人の心が読めるというのは、読み切りや、
サブキャラクラスの設定には使いやすいが、
主人公クラスに持たせると
相当物語作りが困難である事は
容易に想像できるところ。
そこを、違和感なく読ませる
ベテランの構成力に思わず脱帽。
全6冊、大きな起承転結がある物語ではないが、
主人公「木絵」の妄想に笑いながら、
いつの間にか微笑ましくなってしまう優しい作品である。