時代物
幕末の時代にタイムスリップする、現代の脳外科医、南方仁。 現代の医学の知識と江戸の病を描いた本作は、まさに設定の妙が光る作品だ。 医者モノと、幕末モノはどちらも沢山の作品があるがそれが組み合わさると、前後に類がない作品になるのだから、まだま…
あだち充作品は、確かにどれも似たような顔と似たようなキャラクターである。 特にタッチ以後は、長期連載はあっても大傑作はつかめていないのが実情だ。 しかし、ひとつだけ推しておきたい作品がある。それが本作虹色とうがらしだ。 日本の江戸時代に似た、…
広島と原爆の物語この手の話はイデオロギーと歴史観に多分に左右されるので、面白い面白くないでは、ないと思われる。 読みたい方は読んでみると良い。個人的には作者が背伸びしていない感じが良い。 「広島在住だが、原爆とは縁遠かった」というこうの史代…
「カラスヤサトシ」シリーズ ただ、今までの作品と完全に異なり本作は、エッセイマンガではない。 売れない小説家の人生を描いた強風記や、時代劇としてのHOME、意外に上手いまとまりをみせている短編かみなりの3篇を収録した作品集だ。 「強風記」こそ、い…
70年代カテゴリに入れているが、正確には50年代から60年代の古典に入る作品となる。白土三平の最高傑作と謳われる本作は、当時の少年たちの心を掴んで止まなかったのも頷ける大傑作である。 現代のマンガに慣れている人からすれば、絵は古臭く見えるかもし…
コミカライズ作品は往々にして上手くいかないものだと捉えているが、その例外的な存在として山田風太郎、せがわまさきによる時代物シリーズが挙げられるだろう。 甲賀忍法帖の描くおどろおどろしさ、怪しさ、妖艶さ、等を、見事なまでにマンガの世界に落とし…
癖のある画風に、個性満点の世界観と、好き嫌いが二極化する「松本大洋」だが、登竜門としてオススメするなら、ピンポンも捨てがたいが、この作品をお勧めしたい。ある日、貧乏長屋に突然あらわれた不思議な侍、「瀬能宗一郎」と、その侍に興味を持つ少年「…
思えば和月伸宏ほどその才能をジャンプに枯渇させられてしまったマンガ家も近年いないのではないだろうか。 ジャンプ不作の90年代に読み切りとして始まった本作は、デビュー当初から他の作品とは一線を画した名作の予感を含んでいた。 幕末に「人斬り抜刀…