1980年代男性系
総合評価・・・3.86 新人のジャンプ初連載作品として、あまりに高い完成度を誇るギャグレスリング漫画であり、笑える、泣ける、盛り上がる、と無駄な展開はなく全10冊でキレイにまとまった稀有な作品。それが本作「THE MOMOTAROH」である。 ブログ主の中で「…
総合評価・・・4.18 以前よりはだいぶマシになったが、ここ近年、とりあえず料理漫画を書いておけば何とかなる、と言わんばかりに料理漫画が氾濫してしまったわけだが、そのブームの全ての原点を創った作品として、そして近代以降の料理漫画における代表作と…
総合評価・・・4.58 高橋留美子御大の名声を決定的にした、もはや説明不要の不動の名作。この傑作が再びアニメ化ということで久しぶりに全巻読み直しての再レビューである。まず1巻を読み直してみると、あらためて、作者見解にある通りラムちゃんが一度だけ…
総合評価・・・4.20 ジョジョ全巻それは、第一部から第五部の63冊、第六部ストーンオーシャン17冊、第七部スティール・ボール・ラン24冊、そして第八部ジョジョリオン27冊の合計131冊から成る30年近く続く唯一無二のシリーズである。 ジョジョリオンが完結し…
総合評価・・・4.02 青春作品の王者、「吉田聡」が描く大傑作。 著作の中では知名度は低いかもしれないが、個人的には1,2を争う名作だと考えており、何度読み返しても泣かされてしまう素晴らしい作品である。 過去、甲子園決勝戦でエラーを犯したトラウマ…
原作「狩撫麻礼」、作画「たなか亜希夫」のベテランコンビにおける代表作ともいえる本作。バブルの時代の世相に背中を向けるように、境界線上の「あちら側」の人間の生き様に唾を吐いて、ただひたすらに奔放に生きる主人公、蜂須賀。序盤こそまだキャラが固…
知っている人は知っている、マンガで人生を描く作者「業田良家」 本作は、映画化などもしてしまい、ちょっと有名になりすぎてしまったが、感動を期待して読むような、そういった類の作品ではない。 あくまでくだらない4コマ漫画として楽しむべき作品である…
あまりにも懐かしい本作をレビュー。 昔からのマンガファンなら、タイトルだけでも覚えているはずの作品「おざなりダンジョン」 なんとなく目に入る適当なタイトルのこの作品が1980年代に始まってから、数々の打ち切りや連載雑誌の廃刊を経て、2013…
今もって傑作を作り続ける巨匠「細野不二彦」の最初期作品。 オデブで女好き、弁当ばかり食べているけど、忍びの腕は超一流の「猿飛肉丸」と、そんな肉丸にベタ惚れしてしまった幼馴染の「魔子ちゃん」の二人を中心に描いた忍者学園ラブコメディ。 どちらか…
原作「毛利甚八」、作画「魚戸おさむ」コンビと言えば、この作品しかないだろう。家庭裁判所に勤める裁判官「桑田義雄」を主人公に据えた、本格的な司法ドラマの傑作だが、これほど地味な主人公も珍しい。植物を愛する穏やかな人柄で、温和な口調で青少年に…
超ベテラン作家「原秀則」のマンガ界における立ち位置を確立した出世作。 デビュー作「春よ恋」「さよなら三角」の頃の画力を考えると、本作の最終巻あたりの画力は完全に別人であり、これほどマンガが巧くなった作者を私は他に知らない。以前レビューで描い…
麻雀マンガの重鎮「片山まさゆき」がファミ通に連載していた頃の異色の作品。全2冊ではあるが、もともとがファミ通の4ページ程度の連載なので、連載期間はそれなりに長かった人気作である。当時の人気ファミコンゲームをベースに、色々な作品を混ぜ合わせ…
主人公が土偶という謎の設定の学園コメディ作品。それが、土偶ファミリーである。作者「西川伸司」は、特撮映画のキャラデザイン等も手掛けるベテランで、本作は、土偶の参考書としてなぜか大英博物館にも展示されたことがあるのだから、まさに謎の作品と呼…
今読み返すとやはり、時代と寝た作品だったと確信させられる、80年代少年ギャグマンガの傑作。 今となっては古臭く感じる絵柄も、登場人物たちのドタバタ感も、当時は全てが新しく感じられたことが懐かしい。 最も悲惨な最終回の一つとして、長く語り継がれ…
まさに粗削りという言葉が相応しい、大ベテラン「原秀則」の初期の秀作。天才サッカー少年の弟と、うだつのあがらない兄というどこかで見たサンデー設定を使って、代表作「ジャストミート」の 二匹目のドジョウを狙った本作だが、連載自体は、短期間で撃沈。…
作者「まつもと泉」の最高傑作。80年代に颯爽と登場した本作が、その後のジャンプにおけるラブコメの路線を定着させたと言っても過言ではない。主人公「春日恭介」の優柔不断さといい、ヒロイン二人のキャラクター描写といい、改めて読み返すとその後のラブ…
未だに現役を続けるマンガ界の巨匠「小山ゆう」が、「武田鉄矢」という異色の原作とコンビを組んで描いた作品だが、20年ほど前に読んだ記憶のある本作を改めて読み返してみると、まことに傑作であった。坂本龍馬という人物自体が、ある種、嘘と本当が入り混…
80年代ジャンプ読者には、もはや説明不要で、未だに語り継がれる圧倒的なバトルギャグマンガ。それが本作「魁!!男塾」である。今の時代に、この勢いだけの作品をジャンプで連載させると、一体どんな反響があるのかと考えさせられてしまう。それぐらい荒唐無…
作者「吉田ひろゆき」が現在も作品を発表しているか微妙なところだが、この作品のインパクトは強かった。一話完結のショートストーリーで、人間の欲望やエゴに対して、それを叶えてくれる不思議な道具を渡す幸福の伝道師ザビエール。無論、その道具が必ずし…
日本のマンガ界でSFジャンルが終わったのは、この作品のせいだったのではないか、と個人的には考えている。2001夜物語はそれぐらい全てを終わらせてしまった、偉大な古典の名作だ。 今から約30年前に描かれたとは思えない、深い洞察と、宇宙への憧れ、そ…
少年ジャンプの文化が良いほうにも悪いほうにも混ざり合った、「武論尊」と「原哲夫」コンビの稀有な傑作。核戦争後の世紀末に、無残に敵を殺す北斗神拳という今見返しても通用する斬新な設定と、ジャンプ王道のバトル展開と爽快感。 ここで終われば不朽の名…
もはや書籍版は新品では購入できないかもしれない。ただ、隠れた名作だ。 天才音楽家モーツァルトが、実は女性だったという大胆な設定を舞台に物語は展開するが、モーツァルトの奔放な精神、作曲群と、サリエリとの愛憎ともいえる関係性がこの設定故にリアル…
「中津賢也」とくれば、やはり、「安永航一郎」に続くわけである。最近なぜか、完全版が発売されてしまった「県立地球防衛軍」。どうして27年ぶりに復活させたのか、全くもって理解に苦しむが、80年代頃の空気感を感じる意味では最適な作品かもしれない。そ…
引き続き「中津賢也」日本の戦国時代をモチーフにした、学園ばかりが集まる学園都市という設定は、30年前の作品だが、むしろ現代で通用する内容である。2巻作家の異名の通り、デビューから本作まで全て2冊で完結してしまい、以後、徐々にサンデーからその姿…
懐かしのサンデー作品シリーズ十数年ぶりに古本で再読。まさに80年代サンデーを代表する作者の一人「中津賢也」その絵柄、作風、キャラ、ストーリー。全てが当時のサンデーの雰囲気を象徴している。格好いい絵柄に、チートすぎる強さの主人公と、地獄と人間…
江戸時代を舞台に、呉服屋の娘が忍者修行に励む、コメディ作品。今でこそ特定ジャンルの大御所になった「私屋カヲル」だが、当時は、面白いのだが雑誌の中で所在の無いギャグ枠を担当していたわけだから、掲載雑誌の問題は非常に重要である。作者らしい下品…
近年名作が生まれない、けれども必ず蘇ると思われるジャンル。それが、この貧乏生活ジャンルである。 四畳半のぼろアパートで、何をするわけでもなく、何があるわけでもなく。 ただひたすらに、無為な時間と、少しだけこだわりのある生活がつづく。 お金の観…
多くのマンガ読みが、侮って読み始めて、そして必ず泣かされる作品。ちゃぶ台返しばかりする亭主関白のイサオ。 そんなイサオに甲斐甲斐しくつくす嫁の幸江。 そんなどうしようもない日々がただただ続く上巻と、読み始めると最後まで読まずにはいられない怒…
言わずと知れた「浦沢直樹」「勝鹿北星」コンビの最高傑作。 個人的には、ある程度以上の年齢の方に、「面白いマンガは何?」と尋ねられれば、必ず答えるのはこの作品である。 はっきりいって桁違いに面白い。 このレベルになると、マンガは子供の娯楽を通り…
多くのマンガに目を通すと、「面白い作品」というのはそれなりの確率で出会える。 しかし稀にだが「スゴイ作品」が存在する。 一気に読破して、読み終えて、ふっと溜息が出る。 何か感想を考える余力が沸かない、マンガ家の思想、思念に思考力を奪われたよう…