つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

さすがの猿飛

今もって傑作を作り続ける巨匠
細野不二彦」の最初期作品。

オデブで女好き、弁当ばかり食べているけど、
忍びの腕は超一流の「猿飛肉丸」と、
そんな肉丸にベタ惚れしてしまった
幼馴染の「魔子ちゃん」の
二人を中心に描いた忍者学園ラブコメディ。


どちらかというと、アニメのほうが有名で
ギャグ作品として名高いかもしれない本作。


ただ、マンガ版は後半に進むほど、
シリアスな展開を迎える点が大きな違いだ。


特に最終章は圧巻で、
いつまでも肉丸の背中だけを追っていた、
「魔子」の心の葛藤と「肉丸」の魅力が発揮される
見事な展開になっている。

絵の巧さと安定感も抜群で、
この時代のアニメーター出身のマンガ家の
画力は恐ろしいものがある。

そして、何より特筆すべきは、この「猿飛肉丸」というキャラクター。
作者の20年後のあとがきで記述される、
「千百枚の若描きの宝物」とはよくいったものだ。

マンガ版未読の方には是非オススメしたい。
こんな作品がほぼデビュー作なのだから、
やはり巨匠は、最初から巨匠と言うしか他はないのである。

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