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つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

神々の山嶺

「谷口ジロー」というマンガ界の至宝が亡くなってしまった。そんなわけで、本作を本棚から取り出してきたわけである。 日本における山マンガとしては、やはりこれがベスト1ではないだろうか。 ただひたすらに、自分の生きる証を残すために山に登る主人公「…

となりの怪物くん

近年、最もお気に入りだった学園ラブコメ。ストーリー、絵、キャラクター、と、どれをとっても弱点がなく、とにかくセンスの高い作品だった。 入学初日から喧嘩沙汰で学校にこない「春」という、となりの怪物くんを眺めるテンプレタイプの作品かと思って読み…

日出処の天子

大御所「山岸涼子」の代表作。 厩戸王子、いわゆる「聖徳太子」を主人公にしたマンガで、少女マンガが得意とする歴史ロマンスジャンルとは少し違う印象を受けるが、その「聖徳太子」が女性とみまごう美貌の持ち主で、超能力を操るとなると話は違ってくる。 …

レタスバーガープリーズ.OK,OK! 完全版

【特典付き】レタスバーガープリーズ.OK,OK! 完全版【全3巻】 作者: 松田奈緒子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/01/21 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 重版出来の「松田奈緒子」の大傑作が、書下ろしと番外編含む完全版で発売…

田中圭一のペンと箸

待望の作品の単行本化という事で即購入。これは素晴らしい。パロディや下ネタで有名な「田中圭一」に届いた偶然のオファーから始まった本作だが、これは作者の最高傑作になったのではないだろうか。有名マンガ家の好きな食べ物を、本人にではなく、その息子…

完全版 水木しげる伝

敬愛する水木御大の半生を綴った大傑作。昨今は、「ゲゲゲの女房」等のブレイクで、水木しげるの名前も十分に世の中に知れ渡る事になったが、一昔前の水木しげるの知名度はやはり低かった。 しかし、売れようと売れまいと水木御大は変わらず。 そんな事を感…

げんしけん

二代目完結記念という事で、まずは初代の感想から。 現代視覚文化研究会略して「げんしけん」と呼ばれるオタクの大学生が集まるサークルでの日々を描いた超有名作品。 オタクの世界の楽しい側面と、オタクの世界の恋愛事情という2つのテーマを全9冊で完結…

わたしは真悟

多くのマンガに目を通すと、「面白い作品」というのはそれなりの確率で出会える。 しかし稀にだが「スゴイ作品」が存在する。 一気に読破して、読み終えて、ふっと溜息が出る。 何か感想を考える余力が沸かない、マンガ家の思想、思念に思考力を奪われたよう…

自殺島

努力の天才「森恒二」がまた名作を残してしまった。自殺を試みる人間の扱いに困った政府が、自殺者を島流しにする島 「自殺島」最近の凡百の作者ならそこから、くだらないバトルロワイヤルや、仕掛けだらけで先が見えないミステリーを展開するところだが、や…

バナナブレッドのプディング

24年組の作品は、本当にレビューが疲れる。なんというか、ちょっと気楽な気分で読み返せる作品が少ないのだ。 「大島弓子」作品はその典型で、冒頭の少女のつぶやきからして、「きょうはあしたの前日だから・・・だからこわくてしかたないんですわ」で始ま…

うしおととら

「藤田和日郎」の、いや少年マンガの最高峰の一つとして名高い大傑作。 それが「うしおととら」 確かに、これほどまでに熱量を感じさせる作品は稀だ。 うしおととらを名作足らしめる理由はいくつかあるが、その一つが、長期連載にもかかわらず無駄がない事で…

医龍

世に医者マンガは数多あれど、この切り口で描かれた作品はなかった。 それが「医龍」である。 主人公「朝田龍太郎」天才的なオペの手腕を持つ外科医だが、日本の大学の医局に嫌気が差し、世界の舞台で活躍していた男。 そして、そんな奔放な男を、自分の夢=…

花咲ける青少年

樹なつみ作品はどれも面白いが、個人的に挙げさせてもらえば、やはり本作をお勧めしたい。 残念ながら「樹なつみ」はレビュー泣かせのマンガ家だ。 その独自の世界観と設定により類似した作品が少ないので、説明が大変難しい為だ。 しかし、それにしても本作…

藤子不二雄Aのブラックユーモア

いわゆるA氏のブラックユーモア短編集である。 「まんが道 」の回でも評したとおり、A氏のブラックユーモアは、人間の負の感情をストレートに描いており、大変面白い。ショートショートとして見てしまうと、その奇抜さ斬新さはF氏の作品が上だが、人間の…

動物のお医者さん

「佐々木倫子」といえば独特な雰囲気のシュールなギャグが売りだが、その中でもやはり本作を推したい。もはや説明不要の有名作。獣医学部の志望者人数を増やすという、社会現象すら巻き起こした傑作である。 ただ本作が、獣医への憧れを全く描いていないこと…

らんま1/2

うる星やつらで磨かれたショートギャグと、めぞん一刻で発揮されたラブコメの2つを混ぜ合わせただけでも凄いのに、そこにバトル要素も加えたわけだから、この作品が売れないわけがなかった。 しかし、売上面で「高橋留美子」最高の結果を残した本作が、マン…

百万畳ラビリンス

前から気になっていたものの、なかなか読む機会がなかった本作をやっと読了。マンガ総合ランキングを毎年作っているので、滅多に大物を読み逃すことはないのだが、本作はマンガ大賞だけにしか登場しなかった珍しいタイプの作品で、完全にノーマークだった事…

暗殺教室

ネウロの時代はまだ、フロック的な存在に感じられた「松井優征」だが、本作の完結をもって、名実ともに、ジャンプの時代を築いた一人となった。生徒が先生を殺す暗殺者という、キャッチーな導入に始まった本作が、どのような結末を迎えるのか楽しみに読んで…

MW

まさにピカレスク作品と呼ぶに相応しい巨匠の異色短編。それが本作である。 主人公は牧師と銀行員の二人の男性。 若き日に沖縄の離島で一夜を過ごした二人は、翌朝、全ての住民が死滅するという惨劇に巻き込まれる。 しかし、それらの事実は時の政府にもみ消…

俺物語!!

少女マンガの伝統を見事に逆手にとって、2010年代を代表する作品となった俺物語も今月の別マガでついに完結である。俺物語らしい、素晴らしい最終話だった。 本当に、ここ近年の少女マンガ界における河原和音の存在感は圧倒的で、立て続けにヒット作を輩出し…

はいからさんが通る

まさかの新作劇場アニメとなった、懐かしの「はいからさんが通る」70年代の少女マンガは、「ベルサイユのばら」や「ポーの一族」等、その後の少女マンガの系譜ともいうべく、ハイレベルな作品が揃った時代である。そして、女性主人公のラブコメというテーマ…

コータローまかりとおる!

最後のシリーズが連載中断となり、 早十数年が経過してしまった為、昨今のマガジン読者には、未読の方も多いかもしれない。 しかし、本作「コータローまかりとおる!」は、マガジン史上において外せない名作である。 全59冊は、なかなかの時間を要する大作…

童夢

大友克洋の才能をまざまざと見せ付けられる作品。 昨今の、映像界における氏の評価は別として、80年代における本作の衝撃は異様だった。 2000年代以降急増する事になる、リアル嗜好の作品の多くが、文字で薀蓄を語ることで作品の質を高めているのは、残念な…

キン肉マン

「やったぜーっ! とうとう念願かなって、キン肉マンが単行本になったぞー!! もうベストセラーまちがいなし! そうなれば本だけでなく、テレビ化…い、いや映画化だって夢ではないし、町では、キン肉マンの人形やお菓子だって売り出され子どもたちは、それらを…

ZERO

松本大洋の初期最高傑作と称される事も多い本作。異常なまでの強さを誇るボクシングのチャンピオン「五島雅」30近くなっても衰えを知らず、一度も倒れる事のないそのその力に、周囲の人間は畏怖の念を込めて「ゼロ」と呼ぶ。負ける事を知らないその才能は、…

レタスバーガープリーズ.OK,OK!

(2012年評)昨日レビューした「忘却の旋律 」がタイトルで得をしている作品だとすれば、この作品は真逆である。完全にタイトルで損をしている。 正確には、松田奈緒子作品が全般にわたってタイトルで損をしている。 この作者の作品は間違いなく、もっと売れ…

三四郎2 さんしろうのじじょう

作品発表から早20年以上ということで、なかなか古本屋でも見つけづらくなった本作を久しぶりに再読。 いやぁ、懐かしい。好きだった作品も10年ぐらい読まないと、それなりに忘れるもので、再読すると当時の感動が甦ってお得な気分である。 設定自体は、至っ…

東京トイボックス / 大東京トイボックス

(2012年評) モーニング連載「東京トイボックス」の時代から注目し、打ち切り残念コースだった異色のゲームクリエーター作品が「大東京トイボックス」という続編を経てここまで世の中にその名をとどろかせることになるとは、当時は夢にも思わなかった。…

のだめカンタービレ

のだめカンタービレ クラシック音楽という既存の作品の少なかったジャンルで一世を風靡した、二ノ宮知子の大出世作である。 とにもかくにもこの作者のマンガはキャラクターが活き活きと動き回る。 特に素晴らしかったのはやはり主人公「のだめ」の存在だろう…

弁護士のくず

(2012年評)法廷ジャンルマンガとしては、間違いなく傑作の部類に入る作品。 ドラマ化もされたので、ご存知の方は多いだろう。 裁判や司法をテーマにしたマンガは、どうしても善性に訴える方向に走りがちだ。しかし、本作は秀逸なタイトル通り、善良さとは…

風の谷のナウシカ

改めて読み返すと、偉大な作品だった。年齢を重ねれば重ねるほど、この作品の深さが伝わってくる。アニメに関しては、もはや説明不要の知名度を誇る本作だが、マンガ版が圧倒的な骨太さを持った大河浪漫である事を知らない人も多い。しかし、90年代にこれだ…

ポーの一族

(2012年評)少年マンガという括りで見ると、どの作者が一番か、という質問に答えるのは難しい。 手塚治虫亡き後、その問いはますます困難になりつつある。 しかし、少女マンガは違う。 色々なご意見があるだろうが、少女マンガの神様は現役だ。 私の中では間…

AKB49〜恋愛禁止条例〜

最初に断わっておくが、まったくもってAKBファンではない。 しかし、本作は近年の少年マンガの中でも、最高峰の一角ともいえるレベルで少年マンガだった。特にラスト間際は泣かされっぱなしだった。連載開始当初、マガジンで見かけた時は、よくあるアイド…

玄人のひとりごと

故 中島徹先生の遺作であり、長期にわたってビッグコミックオリジナルを支えてきた偉大な作品。人生の玄人を自称する主人公「南倍南」の、旅、グルメ、ギャンブル、麻雀等などの様々な日々を描くギャグ漫画。淡々と主人公の日常を描くタイプの作品なので、何…

タッチ

もはや説明不要。あだち充作品の中で最も成功したのが、この「タッチ」だろう。 以後、あだち充は何度か野球マンガに挑戦しているが、残念ながら本作を超えれたとは感じられない。 今読み返してみても、色あせない感動が残る傑作だ。 しかし、残念な点もある…

竹光侍

癖のある画風に、個性満点の世界観と、好き嫌いが二極化する「松本大洋」だが、登竜門としてオススメするなら、ピンポンも捨てがたいが、この作品をお勧めしたい。ある日、貧乏長屋に突然あらわれた不思議な侍、「瀬能宗一郎」と、その侍に興味を持つ少年「…

め組の大吾

本作は現時点までにおける曽田正人の最高傑作と言えるだろう。 およそこの作者以上に『天才』というジャンルに心奪われているマンガ家はいない。ゆえに、『天才』的な主人公をドラマチックに描かせれば日本一である。 個人的思想になるが、天才というのは何…

からくりサーカス

藤田和日郎と言えば「うしおととら」この定説は今も覆っていない。 確かに、うしおととらには無駄がなかった。作者の描きたいテーマが明確であり、物語としての完成度が高かった。名作である。 翻って、からくりサーカスには不評が多い。 作者自身もインタビ…

青空エール

吹奏楽部をテーマにした本作も全19冊で無事完結。高校デビューも別の意味で完成度の高い作品だったが、「河原和音」のマンガとしてはこれがベストではないだろうか。名門吹奏楽部に入部した初心者の主人公「小野 つばさ」がひたすらトランペットに打ち込むと…

アドルフに告ぐ

手塚治虫後期の代表作として、語られる本作。その称号に相応しい、重厚で緻密に設計された大人のためのファンタジー作品である。タイトルに描かれているように、物語の中心はアドルフ・ヒトラーのいた時代。この時代に運命を狂わされた、3人のドイツ人の物…

ピアノの森

当時、「一色まこと」がピアノマンガを始めた時には、違和感しかなかった。あの、躍動感あふれるキャラクターが命の作者が、クラシックピアノの作品をどのように描くつもりなのか。そんな無駄な心配をものともせず、クラシックピアノが全く似合わないやんち…

デビルマン

デビルマンを産み出していなければ、永井豪というマンガ家への評価は全く違ったものになっていただろう。 もちろん、人気作品を多数排出した一流マンガ家である事は理解している。けれども、 デビルマンだけは別格だ。 デビルマンはその主題歌等から、アニメ…

ご近所物語

(2012年評) 90年代から2000年代の少女漫画における代表的な作品。無論、ご存知の方も多いだろう。 以前、「天使なんかじゃない」のレビューの際にも記載したが、才能あるマンガ家は時代を読む力に長けている。そして「矢沢あい」が才能ある部類に入…

ムーたち

「榎本俊二」 下ネタオンパレード作品「えの素」でその名を轟かせた作者がその名声をさらに高めたのが本作だ。何しろ下ネタを一切禁じたうえで、ますます面白かったのだから天才としか評せない。 一言で言えば、この作品は恐らく日本で最も書評や感想が似合…

スローニン

青春作品の王者、「吉田聡」が描く大傑作。 著作の中では知名度は低いかもしれないが、個人的には1,2を争う名作と捉えている。 過去、甲子園決勝戦でエラーを犯したトラウマを引きずる浪人学生「ラッキュー」。 そんなラッキューの前に突如現れた謎の大男…

イタズラなKISS

90年代、いや少女マンガ界におけるラブコメディの大金字塔。作者「多田かおる」急逝のために 、未完となってしまった本作だが、それを差し置いても、全く問題がないほど本作は面白い。90年代少女マンガ界には、他にも非常に多くの名作が揃っていたが、「恋愛…

惑星のさみだれ

水上悟志の名を世に知らしめた出世作と言ってよいだろう。 「少年が大人になるってのはこういう事だ」 最終巻の帯にあったこの言葉が、このマンガを語る全てだ。 自分にとってのヒーローを求める主人公夕日は、突如巻き込まれた世界を賭けた闘いの中で、次第…

ギャラリーフェイク

鬼才細野不二彦が描く、唯一無二の美術マンガ。 贋作を扱う「ギャラリーフェイク」のオーナー藤田は、元メトロポリタン美術館のキュレーター(学芸員)。 真贋問わず世界の名品が集うアートギャラリー「ギャラリーフェイク」では、絵画、彫刻、陶芸、骨董品…

ピューと吹く!ジャガー

このマンガの評価は難しいところだが、マンガ好きとしては間違いなく最高レベルの評価を与えたい。 なぜなら、この作品がギャグ漫画だからだ。 そもそも、ギャグという神経を削って描く作品が20巻続くという事がどれほどの偉業なのか、そこが理解できなけ…

逆境ナイン

島本和彦から熱血を取り上げたら何も残らない。 そんな彼の作品郡の中でも、頭一つ飛びぬけておかしい作品が逆境ナインだろう。 映画化もされてしまったので、今では衆目の知るところとなった本作だが、その狂ったテンションはやはり今読んでなお斬新である…