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諸星大二郎短編集成に関する考察

久しぶりの更新ですが諸星大二郎ファンの方以外は読んでも面白くないマニアックな内容なので、ファン以外はそっ閉じでお帰りください。


さて、本日2026/3/30に「諸星大二郎短編集成3 地下鉄を降りて」が発売されたことで、およそこのシリーズの先行きが見えてきたので、そのあたりを考察するのが本記事の趣旨となる。

ファンの方は既にご存じの通り本シリーズは年代別に過去からの短編集を全12冊に収録しようという試みなわけだが、最も注目されているのが

第1巻の収録作品が何になるのか、また未収録作品は収録されるのか

という点だろう。


そこで、諸星大二郎の発表作品を時系列に振り返ってみたものが以下である。

まず1970年から1974年の作品で、赤字にしているのが単行本未収録作品だ。

正確には表の「女は世界を滅ぼす(ゼピッタシリーズの第一作)」はビッグコミックセレクション名作短編集に収録されているが、諸星大二郎名義の単行本には収録されていない。また、表に作品のページ数を載せている意味は後で説明する。

ここまでが最序盤の作品で、短編集成の1巻に収録される候補の作品群である。

続いて1975年から1978年の作品である。

このあたりからは2巻と3巻に収録されており、短編集成に収録された作品は灰色にしてある。

これを見ると「ティラノサウルス号の生還」はまだ未収録なのと、1978年の作品でも短編系の作品はあまり拾われていない、というのが現状である。

そして最後に1979年の作品。こちらが本日発売の3巻に主に収録された作品である。

こちらを見ても、やはりあまりにページ数が少ない、短編というより「カット」のような作品は収録されていない。

 


最後の「復習クラブ」は自選短編集にも収録されているので恐らく4巻に収録されると思われるが、気になるのは「むかし死んだ男」が収録されていない点である。

作品のタッチ的にも内容的にも今の諸星大二郎作品とはかなり違う傾向があるので、これが収録されないとなると、最初期の未収録作品も全て収録されるのかが怪しくなってくる。

さて、本題である。

第1巻の収録作品が何になるのか、また未収録作品は収録されるのか

なのだが、以下の小学館の作品紹介ページから読み解けることがある。


第1集は370頁、そして収録される作品は全21編という事が記載されているわけだが、ここで問題が出てくる。

今までの表で示した、まだ今回の短編集成に未収録の作品の作品数とページ数を合計すると、1970年から1978年までで、

作品数にして25作品
ページ数で397ページ

の作品がまだ収録されずに残っているのである。

つまるところ、現時点で既に発表作品の全てを完全に網羅できない見込みが立ってしまったのだ。

これは非常に悲しい。

そして、3巻時点で「むかし死んだ男」が外されている流れからも、同じ系統を感じさせる「現代間引考」あたりは、かなり収録が危ぶまれるのではないか、また、「下宿人の幸福のために」も短編であるため収録が怪しいところ、というのがブログ主の考察である。


もちろん、まだまだ1巻の発売までは時間があるので小学館が考えを変えてくれたら良いのだが、現時点での情報を統合する限りは未収録作品の完全収録は黄色信号という感じだろうか。


最後になるが、こういった考察をする上で、大変参考になっている「諸星大二郎博物館」のリンクを置いておくので、まだご存じでない方は是非こちらも参照してほしい。

morohoshi.main.jp