料理
さめない街の喫茶店は絵と世界観が主役。街の空気と光、料理の質感まで濃密に描き切る一方でドラマは控えめ、雰囲気重視の人向け。
めしにしましょうは風呂場低温調理や仏跳牆に挑む実験料理漫画。理屈と検証、大胆な食材投入と工程ハックが痛快で、定型グルメに飽きた人に最適
『大使閣下の料理人』公邸料理人が“食の外交”で心を動かす。精緻な料理描写と国際情勢が絡む高密度長編、名編多数の大人向け料理×外交劇。
全角87字 『鉄鍋のジャン!』は悪役的主人公・秋山醤が光る料理バトル。王道×邪道の対比と中華の本格知識が噛み合い、終盤まで緊張感抜群。過剰演出も画力で説得、21世紀の料理編は見応え十分。
美味しんぼは取材力と料理描写で食の知見を開いた金字塔で、山岡栗田雄山の関係が物語を牽引し、初期巻の切れ味は今も鮮烈。
『てんまんアラカルト』は論理派の料理描写が魅力。強引な展開は課題だが、『フェルマーの料理』の前日譚として世界観を深掘りできる一冊。
沈夫人の料理人は毒と美味の駆け引きを愉しむ異色の料理漫画で、女王様気質の夫人と超一流の料理人の掛け合いが唯一無二の読後を残す
女性の酒飲みマンガ家として、その地位を完全に確立した作者「新久千映」のお酒マンガである。今回のテーマは、家でのお酒という事で、食べ歩きジャンルではなく、様々な家の中でのお酒との過ごし方が描かれている。酒飲みが酒とつまみを楽しむというジャン…
元々は、久住昌之の同名のエッセイだったが、それを土山しげるが漫画版としてリメイクした作品である。 定年退職後のオトコが、自分を野武士になぞらえ、好きなものを好きなように食べる本作。 帯にもあるとおり、やはり「タンメン」の回が最高で、単なる町…
江戸時代の料理本「豆腐百珍」に出てくる豆腐料理百種類を全て作るという荒行に挑む作者、「花福こざる」によるエッセイマンガ。 正直、地味な表紙と作風にあまり期待していなかったのだが、マンガのレベルといい、出てくる料理の薀蓄といい、予想以上に面白…
漫画界には8割の手塚派と2割の水木派がいる、との名言を残した水木派の作者「きくち正太」の代表作である。 老舗料亭の若女将「おせん」は、普段は酒ばかり飲んでいるが、書道・陶芸と幅広い芸術の腕を持ち、特に料理の腕前は天才的という看板女将。 そん…
日本の食マンガ、特に酒と食を描かせればやはり他のマンガ家と一線を画すのが「ラズウェル細木」である。 そんな食べるの大好き作者が、特に好きな寿司の薀蓄を描いて、ついには自分で寿司まで握り始めてしまう本作。 作品自体は寿司好きにはたまらない面白…
あまりに懐かしい本作を古本屋で発見して、久しぶりに読了。やはり、この時代は「牛次郎」と「ビッグ錠」コンビの黄金時代だ。 70年代少年マンガの魅力のほとんどが、この辺りの作品に詰まっていると断言したい。 まだマンガにリアリティが全く求められてい…
東北地方のとある村の中の、小さな集落「小森」そこで暮らす主人公「いち子」 大自然の中で描かれる四季の暮らしと、美味しそうな食生活。 全てが便利ではないと頭では分かっていても、都会の人が憧れてしまう田舎暮らしを、自然マンガの天才「五十嵐大介」…
飯の旨さを描かせれば、「ラズウェル細木」の描写はもはや職人芸である。そして、そんな作者が鰻だけをテーマにして挑んだ連載「う」 確かに日本人は鰻好きだが、それにしても、短編で鰻だけがテーマでよくも4冊も続いたものだ、と呆れてしまう。 そして、…
「寺沢大介」の路線を決定付けた作品。 当時いくつかあった料理マンガの中でも、本作が流行したのはやはり、「天才少年料理人」という主人公味吉陽一のキャラクター設定だったのだろう。 また、それまでの奇抜な料理手法を得意とする料理マンガ群よりも、少…
おとりよせで美味しいものを楽しむ。ただ、それだけを一点突破で描き続けた本作も、最新7巻で無事完結。若干コミュ障で、お取り寄せだけが趣味の主人公が、ひたすらお取り寄せグルメを楽しむという内容は、マンガとしてのクオリティは置いておいて、新ジャン…
ワカコ酒が大ヒットした「新久千映」のグルメレポ漫画。さすがにヒット作を出しているだけあって、漫画としての安定感は十分。紹介されるお店の数も非常に多くて、その点は、類似のグルメレポマンガよりお得。しかし終始、店舗紹介が続いており、ストーリー…
食の軍師の原点であり、近年大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者久住昌之が原作をつとめる短編集。孤独のグルメのような精悍さはなく、まさに食の軍師と似たようなギャグ作品を、既に1990年代後半に連載していたわけだから、恐れ入る。そして、そのころ全…
テレビドラマ化もしたので、ご存知の方が多い作品だろう。おいしい物を食べるのが何よりも好きな裕福な父親に育てられた主人公百恵。 けれども、その幸せな日常は父親の急逝により崩れ去る。 残された百恵が選んだのは、コックになる道。 町の洋食屋「プチ・…
(2012年評) 谷口ジローはやはり画力で魅せれる数少ないマンガ家である。 個人的には「神々の山嶺」がベストだが、本作孤独のグルメも捨てがたい。 その圧倒的な画力は並のマンガ家では描けないリアリティの高い世界観を紡ぎ出す。 孤独のグルメは有名な作品…
やはり、マンガが上手い人間には何を描かせてもそれなりに面白くなってしまうのだろうか。 本作は、作者よしながふみと思われる主人公「Yなが」が色々な友人と様々な美味しい料理店(実在)を訪ね歩いて、他愛もない世間話をする、ただそれだけの作品である…
作者「寺沢大介」の大出世作となる、ミスター味っ子の二世物語。前作以上に奔放な展開と料理には、些か晩節を汚した感がある作品だった。物語自体は、前作で回収しきれなかった味将軍の設定や、新味皇の存在など、ところどころで旧作ファンを「おぉっ」と思…
本作はラーメンだけに特化したグルメ系マンガだが、単にラーメンだけをテーマに描いて26冊も続いたのだからラーメンの世界も相当に幅が広くなったと感じさせられる。昼はダメサラリーマン、夜は屋台のラーメン店の主人というのが主人公の設定だが、物語の…