ゲイマンガ界の巨匠「田亀源五郎」が初めて一般誌で
連載を持つことになって話題となった本作。
カナダから突然やってきた外国人男性は、
弟の「夫」だった。
男同士の結婚というカルチャーを
上手く消化できない主人公と、
何の偏見もなく彼に接する
小さな娘の2人のキャラクターを通して、
同性愛に対する世界を描いた本作だが、
「弟の夫」という、
その鮮烈なタイトルには、やはり巨匠の底力を見た。
ただ、初期の斬新な面白さと比べると、
しっとりと全4冊で終わってしまったのは少し残念。
長さは丁度良かったのだが、もう少しだけ
同性愛の世界の巨匠だけが知っている
目の覚めるような真実を描いてくれたら、
不朽の名作だっただろう。
ただ、優しく描かれている世界観の作品なので、
興味のある方は是非手に取ってほしい。