つれづれマンガ日記 改

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地球を呑む

やはり、並の作品は描かない巨匠である。
本作も壮絶に実験的な作品となっている。

自身の悲劇的な人生から、娘達に遺言を残す母親。

金を滅ぼし、
法律・規律を滅ぼし、
男を滅ぼす。

この約束を胸に、娘達は、
世界を滅ぼす為の活動を続ける。
そのための手段、人口皮膚デルモイドZ。


誰でも完全に他人になりすませる、この人口皮膚が
世界中に蔓延し始めた頃から、
世の中がおかしくなっていく。


物語全体としては、
お世辞にも上出来のストーリーとは言えないが、
圧巻なのは、中盤の「if」の世界である。


金が滅び、規律が滅びた「if」の世界を舞台にした、
中盤で挿入されるショート・ストーリー。
これが大変素晴らしい。


全ての家族が、偽者であり、
そして真実の家族以上の家族を演じる第13章は圧巻である。


記憶に残る作品というのは、
こういった存在なのかもしれない。

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地球を呑む (1) (小学館文庫)

地球を呑む (1) (小学館文庫)

 
地球を呑む (2) (小学館文庫)

地球を呑む (2) (小学館文庫)