つれづれマンガ日記 改

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迷走王ボーダー

原作「狩撫麻礼」、作画「たなか亜希夫」のベテランコンビにおける
代表作ともいえる本作。

バブルの時代の世相に背中を向けるように、
境界線上の「あちら側」の人間の生き様に唾を吐いて、
ただひたすらに奔放に生きる主人公、蜂須賀。

序盤こそまだキャラが固まっておらず小物感が凄いが、
センパイとしての威厳を徐々に回復して、
中盤は人生の放浪者としての味わい深いキャラクターを確立している。

反面、もう一人の放浪者であった久保田は、
すっかり後輩ポジションに馴染んでしまって、
良くも悪くも勢いで描かれた作品ではあった。

ただ、この懐かしさと熱量の正体は何なのだろうか。

今の時代に読み返すと、淡々とした現代のマンガと違い
濃すぎるキャラクター群に違和感を感じながら、
それでも引き込まれる強烈なアクの強さのある作品である。

最終的な物語として完結はしているものの、
綺麗な構成の作品ではないので、
本作が懐かしい方におすすめしたい。

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