つれづれマンガ日記 改

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フリーキック!

まさに粗削りという言葉が相応しい、
大ベテラン「原秀則」の初期の秀作。

天才サッカー少年の弟と、うだつのあがらない兄という
どこかで見たサンデー設定を使って、
代表作「ジャストミート」の 二匹目のドジョウを狙った本作だが、
連載自体は、短期間で撃沈。

しかし、序盤で描かれるコメディ形式のスポ根と、
前作を批判するかのような、中盤からのご都合主義の突然の排除。
そして終盤では、その後の作者の持ち味となる
リアリティ溢れる青春群像劇を描いた本作は
まさに当時の原作品がもっていた少年マンガの軽さと、
青年マンガの重さの両方を詰め込んだ、貴重な作品といえる。

その後数十年マンガ活動を続ける事になる原秀則は、
これ以降、コメディ形式のスポーツ漫画を書いていないので、
作者の転換点という意味で、非常に重要な作品だろう。

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