あだち充作品は、
確かにどれも似たような顔と
似たようなキャラクターである。
特にタッチ以後は、
長期連載はあっても
大傑作はつかめていないのが実情だ。
しかし、ひとつだけ推しておきたい作品がある。
それが本作虹色とうがらしだ。
日本の江戸時代に似た、
それでいて、どこか別の星のファンタジーという
設定で始まる物語。
母親の遺言を頼りに訪れた長屋で、
腹違いの兄妹7人に出会った主人公「七味」
自分たちの父親は何者なのか、
そのルーツを探るために、
それぞれの母親の墓参りを
する旅に出る一行だが、
実はその父親というのは、時の将軍であり、
裏では国家を揺るがす策謀が展開し。。。
あだち作品の持つのんびりとした間と、
すこしずつ紐解かれてゆく
読者だけが知る物語の裏が面白い。
全11冊。
きれいに纏まっており、
ラフに次ぐ傑作として読んでいただきたい作品である。