個人的にハル×キヨが好きだった「オザキアキラ」作品である。
大切に育てられた箱入り娘で恋愛に超鈍感な主人公「有栖川鈴」と、
いつもやさしい完璧イケメン、野宮くんとのラブコメディ。
なんともストレートな少女漫画で、
序盤は恋愛と無縁の主人公の慌てぶりを眺めて楽しめるわけだが、
中盤から野宮君の親友の菅谷の横恋慕も始まってしまって、
色々不安になりながらも、最終的には大団円になってくれって
安心の結末であった。
このあたり、もう少し波乱の展開を求める読者には物足りないかもしれないが、
前作のハル×キヨの時も似たような読後感だったので、作者の持ち味なのだろう。
恋愛作品も波乱があれば良いというわけではないので、
なかじ有紀作品のような、ある意味安心して読める作品も大切。
ちなみに、個人的にはすがやんサイドの恋愛を掘り下げるなら、
序盤から超安定のギャグキャラクターの親友なっちゃんの
物語を展開してほしかったが、さすがに、
主人公の親友の恋愛話は王道過ぎたのだろうか。
いいキャラクターだったんだけどな、なっちゃん。
というわけで、最終巻の作者あとがきにあるとおり、
正統派のイケメンと、古風な黒髪ヒロインの恋愛作品なので、
安心して読める懐かしい少女漫画が好きな方にオススメしたい。
