ネムキの出すマンガは、
他の雑誌では味わえない面白さを持つ作品が多いので、
個人的には好みである。
そして、そんな独自路線という意味で、完全にわが道を歩んでいた
中国の仙道を描いた本作も全4冊であえなく完結である。
「仁木英之」の原作小説は何冊も出ているので、
もう少し世界を広げる事ができただろうが、
残念ながら打ち切りという扱いだろう。
作画の「大西実産子」の描く中性的な作風が、
性別を持たない仙人や混沌入り乱れる中国の世界観と、
非常にマッチしており、その点は評価できる。
反面、物語の複雑さはかなり高く、
仙道という読者にとってはニッチな領域を、
十分に伝える事ができなかったあたりが課題だったのだろう。
ただ、キャラクターの魅力も高く、
オリジナリティも十分だったので、駆け足で終わってしまった点は、
残念ではあった。
とはいえ売れないかもしれないが
Nemuki+には、今後も、この独自路線を維持してほしいものである。
中国や仙人というテーマで、
マンガらしいファンタジー作品が読みたい方にオススメ。