チャンピオンの常連「小沢としお」といえば、
やはり「フジケン」だが、本作も相当面白い。
筋金入りのヤンキー一家に生まれて、
関東制覇した兄貴のように、
全国制覇を両親から期待される主人公「剛」。
けれども、彼は中学のころから、
ケンカばかりに明け暮れる生活に嫌気が差し、
家族に内緒で県下の進学高校に入学する。
美術部員として、一般人を装いながら、
家族に対しては、
不良高の頭として活躍していると嘘をつく
二重生活を続ける剛。
自分のあこがれた高校生活と、
少しずつ増えていく家族への罪悪感。
そして、弟を疑い始める兄。
そのあたりのバランスが非常に面白い。
惜しむらくは最終章だ。
これだけお膳立てされたクライマックスの
盛り上がりがあと一つだったのは
作者の力量不足だろう。
正直、この物語を完全に纏められていたら
号泣ではすまないレベルだったと思うと、
そこは返す返すも残念だ。
とはいえ、面白い作品であることには間違いない。
ヤンキージャンル好きには是非読んでいただきたいものだ。
ちなみに、
ナンバMG5 ⇒ ナンバデッドエンド
と続いているのでお間違いなく。