つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

2014年総合ランキング

(2014年総合ランキングの再掲載なので、古い作品が多い事はご勘弁を)

【ランキングルール】

ランキング作成に利用したデータは以下の5つ。

このマンガがすごい!2014オトコ編
このマンガがすごい!2014オンナ編
THE BEST MANGA2014(フリースタイル)
オトナファミ漫画RANKING
ダ・ヴィンチコミックランキング

各ランキングは50位まで公表されているので、
それぞれのランキングの順位をそのまま点数にする。
50位までに入らなかった場合は51点として計算。

各ランキングの結果を合計した結果、
最も点数が低かった作品が優勝。

といった流れ。

ちなみに、各ランキングの特徴はこんなところ。

このマンガがすごい!
 ⇒斬新なものからメジャーな作品まで、
 その年話題になった作品が割と入っている傾向。

「THE BEST MANGA」
 ⇒ガロ系ともいうべきか、
 次世代のマンガとも言うべき作品が選ばれやすい
 マニアックな傾向。

オトナファミ
 ⇒割と平均的なマンガ読者にオススメできるランキング

ダ・ヴィンチ
 ⇒オトナファミと似ているが、その年話題になったか
 どうかは特にこだわらず昔からの長編作品も
 ランクインしているのが特徴。

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第20位 月影ベイベ
オトナファミ20位、すごい!オンナ編3位)

 

 

月影ベイベ 1 (フラワーコミックスアルファ)

月影ベイベ 1 (フラワーコミックスアルファ)

 

 

富山県富山市八尾地域の伝統行事「おわら」を
軸にした青春活劇だが、やはり安定の上手さ。

「おわら」大好きの主人公「佐伯」
東京から来たのに「おわら」が踊れる
謎の転校生「峰岸蛍子」
そして、彼女の秘密と、少しずつ始まる恋愛感情。

まだまだ第一巻なのでどこまで面白くなるかは
未知数だが、現時点での期待度は高い。

ただ、なにせ「坂道のアポロン」が素晴らしかったので、
そこまで届いてくれるかは不明。

ゆっくりと続きを楽しみたい作品だ。

 

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第18位タイ パレス・メイヂ
オトナファミ第14位、すごい!オンナ編6位)

 

 

パレス・メイヂ 1 (花とゆめコミックス)
 

 



久世番子」といえば、
エッセイ系で一世を風靡した作者だが、
まさか、こんなマンガも描けるとは。

ただ、その才能が活かされている点もある。
それが、明治時代をモデルにした本作の設定だ。


世の中を広く眺めているエッセイ系マンガ家だからこそ
思いつけたといえる本作の設定は、
確かに今までのマンガになく、かつ
読みたいと思わせる内容だった。


少年出仕と少女皇帝の出会いという、
典型的であり、それを感じさせない設定の周到さ。
そして無駄に長期連載にもちこまない、
時間軸の動かし方の速さ。

これは名作として完結してくれる。
そんな期待を持てる傑作だ。

 


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第18位タイ 食戟のソーマ
オトナファミ第8位、すごい!オトコ編12位)

 

 

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)

 

 


まさか、この作品がここまで伸びるとは。。。

ジャンプ連載開始時はお色気枠担当で、
打ち切り位置に掲載されていたが、
料理バトル漫画にシフトしてからは、
安定した人気を保ち始めている。
やはり、ジャンプはバトルか。

絵は綺麗なので、
可愛い女の子が好きな方にはお勧め。

 

 

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第17位 ワンパンマン
オトナファミ第8位、すごい!オトコ編12位)

 

 

 

アイシールド21の作画担当「村田雄介」と、
WEBマンガの原作者「ONE」がコラボして出来上がった、
新しいWEBマンガ作品。

どんな強敵もワンパンで倒すヒーローという
シュールな設定が原作のウリだったが、
そこに「村田雄介」の画力が加わったことで、
別次元の面白さに昇華されている。

また、迫力溢れる見開き描写やカラーを多用しているため、
正直、単行本よりWEBで読むほうが面白い。

色々な意味で新しい次世代の作品だろう。

 

 

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第15位タイ 銀の匙
オトナファミ第22位、ダ・ヴィンチ2位、すごい!オトコ編44位)


 

銀の匙 Silver Spoon(1) (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon(1) (少年サンデーコミックス)

 

 

まぁ、今更取り上げるまでもない有名作品。

鋼の錬金術師のキャラクターが繰り広げる、
学園生活に当初は違和感を感じたが、
徐々に入り込んでしまう作りは見事。

ただ、最近始まったアルスラーン戦記も期待大。
やはり、才能ある作者は何を書かせても上手いか。。。

 

 

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第15位タイ かくかくしかじか
オトナファミ第12位、すごい!オトコ編44位)

 

 




こちらも別の意味で才能のある作者

東村アキコ」の半自伝エッセイ的な作品。

自身が漫画家になるまでの生い立ちと、
高校時代に出会う絵の恩師との関係を、
普段のテンションを交えながらも、
少しだけセンチメントに描いた作品。

振り返れば、東村作品の多くは、
個人の実体験や時事的なエピソードが
盛り込まれているが、
その観察眼の巧みさが、
最も活かされているといえる。

若干マンネリ化が進む作者ではあるが、
本作は別格、オススメできる作品だ。

 

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第14位 さよならタマちゃん
オトナファミ16位、すごい!オンナ編33位、BEST MANGA13位)

 

さよならタマちゃん (イブニングKC)

さよならタマちゃん (イブニングKC)

 

 

エッセイ系の昨年のオススメは、
この作品と「ナガサレール イエタテール」
が2013年の双璧だった。

35歳のマンガ家アシスタントが、
突然宣告された睾丸癌。
そして始まる闘病生活。

人間仮免中ほどの狂気ではなく、
失踪日記ほど笑い飛ばすでもなく。

ただ、誠実に自身の身に起きた闘病生活と、
日々への洞察を描いた傑作。
これは、35歳という、
人生の一つの節目の時期に起きたからこそ、
描けた感性なのかもしれない。

表紙カバー裏にも、嬉しい書下ろしが
2Pついており、こちらも素晴らしい出来。
これは、買って読む価値のある作品だ。

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第13位 オンノジ
オトナファミ41位、すごい!オトコ編9位、BEST MANGA9位)

 

  

まさか、「施川ユウキ」作品と、
この手のランキングで出会う日が来るとは。
酢めし疑獄の頃から考えると大変感慨深い。


主人公のミヤコ一人が存在する不思議な世界。
何をすることもない不思議な日常の中で、
彼女は町でみつけた何かを
「オンノジ」と名付ける事になる。


施川独特の、シュールでほのぼのとした世界観と、
不意に挟まれる独特の暗さ。

今までの発表された、作者の作品の
様々な要素が入り混じった、
集大成的な仕上がりになっている。


かといって、あまり高い期待をもって読むのも、
無粋というもの。

なんとなく笑いながら読んで、
読後にしんみりさせられる。

それが施川作品の楽しみ方というものだ。

あと、同じ作者の「サナギさん」が
個人的には一番オススメなので、
施川ユウキ作品に馴染みのない方はそちらもどうぞ。


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第12位 七つの大罪
オトナファミ2位、すごい!オトコ編5位)

 

 

 

長らくヒット作に恵まれなかった鈴木央だが、
四大少年誌の最後でついに売れたのだから、
やはり描き続ける事は大事だ。

作品自体は王道のファンタジーで、
元々ライジングインパクトの頃から、
若干ファンタジー寄りの気質と画風の持ち主だったので、
違和感ない物語として仕上がっている。

ただ、王道ファンタジー作品故に、
物語はまだまだ序盤。

徐々に登場してくる7人の英雄達と共に、
この先どう展開していくのかを楽しみにしたい。

 

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第10位タイ 宝石の国
オトナファミ29位、すごい!オトコ編10位、BEST MANGA15位)

 

 

 

市川春子」の天才性は、
既に紹介済みだが、
そんな作者がついに始めてしまった連載作品。
期待できないわけがなかった。


生命と意思をもつ宝石たちと、
それを奪いにくる「月人」の闘い。

とはいえ、安直なバトルものとは
完全に一線を画している。

闘いを描いているようで、
美麗な雰囲気と世界観を描いている。

恋愛がないように見えて、
キャラクター同士の愛を描いている。


少女漫画のようでいて、
純粋な正統派少女漫画ではない。

オリジナリティという意味で、
相変わらず他の追随を許さない作者だ。

 

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第10位タイ 俺物語!!
オトナファミ28位、ダ・ヴィンチ11位、すごい!オンナ編15位)

 

俺物語!! 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

俺物語!! 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

 

 



昨年の少女漫画の覇者ともいえる作品。
既に、十分取り上げられている作品なので、
レビューは省略。面白いことは間違いない。

とりあえず、別マは今のところ河原和音無双状態だ。

 

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第9位 ひきだしにテラリウム
オトナファミ37位、すごい!オトコ編7位、BEST MANGA5位)

 

 

ひきだしにテラリウム

ひきだしにテラリウム

 

 



個人的には、今回のランキング作品の中では、
あまり得意なほうではない。
オトナファミの37位程度の評価が妥当と思われる。

 

 


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第8位 ときめきトゥナイト 真壁俊の事情
オトナファミ7位、ダ・ヴィンチ37位、すごい!オンナ編2位)

  

 

まぁ、この作品を評価するのは野暮というもの。

80年代における少女漫画の女王ともいうべき作品の
スピンオフが30年ぶりに出たら、
それはまぁ面白いですよ。

そう考えると、この時代、
女の子は「ときめきトゥナイト」を読み、
男の子は「ドラゴンボール」を読んでいたのだから、
お互いの理解が深まらないのは仕方がない話だ。

 

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第7位 亜人
オトナファミ5位、ダ・ヴィンチ36位、すごい!オトコ編3位)

 

 

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 

人類の中に紛れ込んで生息している、
「絶対に死なない生き物」、それが亜人
絶対に死なない故に人体実験の材料として、
国に管理される存在。

自分が人間だと思っていた主人公は、
交通事故に巻き込まれたことから、
自分が「亜人」である事を知る。

残虐な描写が多いので、その点は注意。
続きが気になるが、この手の
「トンデモ」設定の作品が最近多いので、
無事に完結してくれるかは不安。

今のところ面白い。

 


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第6位 喰う寝るふたり住むふたり
オトナファミ17位、ダ・ヴィンチ39位、すごい!オトコ編13位、BEST MANGA22位)

 

 

 

全ランキング雑誌の全てにランクインした、
数少ない作品。

結婚しないで同棲生活が続き、
気が付けば8年が経過していた男女の日常物語。

内容自体は普通だが、1つの話を常に
男性編と女性編の2つの視点から描いている構成が特徴。

常に1話を2つ書き続けるのだから、
作者は大変だろうが、やはりこれこそが
本作の面白さの肝。

男性と女性の視点を交えながら
違和感なく物語を展開していく点に、
作者のほどよい観察眼とバランス感覚の秀逸さが伺える。

結婚に至らない、
でもお互いを嫌いじゃない、
そんな昨今の空気を反映している作品だろう。

だらだらと、のんびり続いてほしい作品である。

 

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第5位 さよならソルシエ
オトナファミ9位、ダ・ヴィンチ28位、すごい!オンナ編1位)

 

 

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

 

 

このマンガがすごい2014オンナ編第一位。
まぁ、なんというか。。。

 


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第4位 坂本ですが?
オトナファミ3位、ダ・ヴィンチ9位、すごい!オトコ編2位)

 

坂本ですが? 1 (ビームコミックス)

坂本ですが? 1 (ビームコミックス)

 

 

 


悔しいが面白い。
勢いだけとも言えるが、
それでもこの馬鹿馬鹿しさは素晴らしい。

スタイリッシュにクールに、
坂本くんが決める。
ただ、それだけの事を、
延々と連載する作者の妄想力に完敗。

シュールギャグ好きには、オススメの作品だが、
あまり期待過剰で読むものではない。
そもそも掲載雑誌の「ハルタ」自体が、
マイナー系なのだから、その辺りは誤解しないように。

面白いと思って読むギャグマンガほど、
つまらなくなるものもないのだから。

 

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第3位 進撃の巨人
オトナファミ4位、ダ・ヴィンチ1位、すごい!オトコ編6位)

 

進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス)

進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 

 

やはり今、最も勢いのある本作が3位にランクイン。

未読の方は最初の1巻だけでも読んでみる価値がある。
1巻で合わなければ、
多分、最後まで面白いとは思えないだろう。

意味不明なキーワードをばらまいて、
次月への期待を常に煽るところは、
浦沢作品的でやや嫌いだが、
あそこまで酷くはないのでギリギリ面白い。

しかし、あんまり引き伸ばされるのは嫌だ。

 

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第2位 重版出来!
オトナファミ11位、ダ・ヴィンチ14位、すごい!オトコ編4位、BEST MANGA2位)

 

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

 

 

 

本ブログでも何度も紹介してきた、
松田奈緒子」の名前が
ついに全国区になった事が大変嬉しい。

元々デビュー作の
「レタスバーガープリーズ.OK,OK!」から、
圧倒的な才能を見せつけてはいたが、
いかんせん存在がマイナーだった。
選ぶ作品のテーマも地味だった。

そんな松田作品が、
ここまでランキング上位に出る日が来るとは。
感無量である。

今年、最もその名をあげた、
マイナー漫画家だと言えよう。

 

さて、総合ランキング1位は、
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第1位 暗殺教室
オトナファミ6位、ダ・ヴィンチ6位、すごい!オトコ編1位、BEST MANGA15位)

 

 

というわけで、
王道雑誌ジャンプ連載作品が総合1位だった。
ただ、ガロ系が好きな「THE BEST MANGA」
の15位に選ばれたのだから、
ジャンプとはいえ、かなり異端の作品だといえる。

魔人探偵脳噛ネウロ」の頃から発揮していた異端の才能と、
エンターテイメント性の向上で、
今、ジャンプの看板作品である事は間違いない。


また、無駄な伏線を張りまくって、
期待感だけ煽る漫画家と違い、
しっかりと考えて作品作りをしている作者なので、
今後の展開にも期待がもてる。

また名作を完成させてほしいものだ。

 

さて、ここまでで総合ランキングは一旦終了。
最後にランキング作成に使った資料を掲載しておく。

 

このマンガがすごい! 2014

このマンガがすごい! 2014

 

 

 

 

 

 

 

ダ・ヴィンチ 2014年 01月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2014年 01月号 [雑誌]