つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.0以上(読んで損はない)

失恋ショコラティエ

鬼才「水城せとな」が描いた、非常に評価が難しい作品。それが、本作「失恋ショコラティエ」である。長年片思いした女性に失恋したことをきっかけに、一流のショコラティエを目指す人生が始まるという導入は抜群に面白かった。そして、人妻になった彼女を追…

透明人間の恋

「町田くんの世界」で独自の路線を築いている作者「安藤ゆき」の初期短編集。少女マンガによくある恋愛オムニバス形式の作品集だが、キャラクターの持つ躍動感の高さが、その後の活躍を伺わせる。また、作者独特の絵柄や描写が魅力的で、昨今よくある少女マ…

時間の歩き方

「榎本ナリコ」が面白いのは知っていたが、もっと感性のマンガ家だと思っていたので、タイムトラベル作品が描けるとは夢想だにしなかった。 ところが、これが面白い。 勿論、凄く難しい設定の作品なので粗を探そうと思えばたくさん見つかるのだろうが、最初…

「鈴木みそ」をマンガ家として復活させたといえる作品。 それが、本作「銭」である。マンガやアニメの値段から始まり、自営業の値段、ペットの値段、エロの値段、そして、人の命の値段。世の中のお金にまつわるストーリーをひたすら描くその作風は、作者の得…

ジュゲム・ジュゲム

地味な作者「ケイケイ」が送る何とも言えない女性の日常を切り取ったオムニバス形式の作品。非常に地味な作品なのだが、どこにでもありそうで、なんとも言えない日常を面白い物語として描く腕前はなかなかのもの。キャラクターの表情も目玉が描かれるだけで…

掟上今日子の備忘録

マンガ版は5巻で第1シーズン完結との事。しかし、流石に原作「西尾維新」である。眠るたびに過去の記憶を失う忘却探偵という設定は、数多くの探偵マンガが乱立している現代においても色褪せない設定だった。そして、忘却探偵が登場する遠因を描いた2巻のスト…

うみべの女の子

オシャレ系最先端のマンガ家「浅野いにお」の作品。知っている限りでは性描写が最も多い浅野作品なので、その辺りが嫌いな人は読まないほうが良い。 いくつも浅野作品を読んできたが、そろそろ「浅野いにお」が理解できた。 最初に読んだ時のインパクトが素…

足摺り水族館

不思議な作品を描く作者「panpanya」による、初期短編集。最初に収録されている「完全商店街」が白眉で、これは確実に読む価値のある傑作。 異様なまでに書き込まれた細部と、ぼんやりとした主人公の描画のギャップがたまらなく面白い。そしてその構成は、物…

ブスだけどマカロン作るよ

その圧倒的なタイトルに思わず目を引かれたら、「カレー沢薫」だった。即購入、爆笑。 ここまで惜しげもなく自分の痛い過去をさらけだせる女性漫画家も少ない。これは、エッセイ系漫画に必要な才能だ。 表題作以外にも、いくつかの作品が含まれており、「な…

どうにかなる日々

相変わらずマンガ読み泣かせの作者、それが「志村貴子」である。何か物凄く深いテーマ性や物語があるわけではなく、淡々と男と女や少年と少女や場合によっては少年と少年の恋愛やSEXを描く本作。シリーズで続く短編もあれば単品で終わる話もあり、テーマ…

やさしいセカイのつくりかた

研究する場所を失った若手天才数学者の主人公と、自身の異端の才能が周囲にばれることを恐れて、一般人と同じ程度の知能のふりをする女子高生の二人の出会いから始まる物語。 最初の設定だけを見ると非常に面白そうな展開が期待できた作品だが、最終的には非…

アヴァール戦記

「群青」で名をはせた作者「中村珍」によるアヴァール物語。 物凄くファンタジー色の強い表紙はフェイクで、本作は、アヴァール=けちをテーマにしたドキュメンタリー作品である。 内容的には、絵を物凄く凝って描くと、アシスタントさんの代金や食費等も含…

イエローバックス

引き続き「高浜寛」である。 ガロ系デビューに相応しい短編を綴った初期作品集。 海外のベスト・オブ・ショート・ストーリーを受賞したというのも良くわかる作品で、芸術性と儚さが多分に含まれた出来栄えである。しかし、マンガと芸術性というのは、些か難…

魔法遣いに大切なこと

「魔法遣いに大切なこと」2冊 「太陽と風の坂道」5冊 「夏のソラ」2冊。合計9冊が現時点までのシリーズの全てになる。基本的には全てのシリーズは、それぞれ別の時間軸とキャラクターで展開されている作品で、魔法遣いが公務員のようなサービス業になった世…

ナナカド町奇譚

一目見ればわかる独特な画風と、オリジナリティ溢れる世界観を描く短編の名手「須藤真澄」の作品。街に七か所の角がある不思議な街を主人公「なのは」が探検する、ミステリアスメルヘンである。 剥製の店、空を飛ぶ夢を持つ男、サボテンの花、不思議な銭湯。…

薬師

「かえんぐるま」「渡瀬希美」そして、現在は「渡瀬のぞみ」色々と名前の変わる作者だが、本作が代表作と言って良いだろう。交通事故で瀕死の重傷を負った主人公「瑠璃広吾妻」は、神様「ヤクシ」に憑りつかれ一命をとりとめる。しかし、その代わりに「薬師…

低俗霊DAYDREAM

「低俗霊」シリーズ第二弾低俗霊狩りの「奥瀬サキ」が原作となり、作画担当「目黒三吉」となった作品。SMの女王様と「口寄屋」という二つの職業を持つ異色の女性主人公を中心に、死者の世界を描く本作。 オカルト系作品の持つ「怖さ」の表現力に関しては、シ…

低俗霊狩り 完全版

80年代に登場して以来、現在に至るまで続いているオカルトジャンルの定番作品。作者「奥瀬サキ」も、まさかこの作品の寿命がここまで長くなるとは夢にも思わなかった事だろう。作品自体は連載誌の度重なる休刊により、非常に長い間未完の状態であったが、そ…

精霊使い(エレメンタラー)

90年代に連載された伝説の作品であり、絶筆宣言後、しばらく消えたマンガ家になっていた作者「岡崎武士」の代表作である。第一部完という形で終了していた本作だが、「レッツラグーン」でマンガ家業を再開した事から、本作も、再編集特別版として日の目を見…

VIVO!

何とも自己中で、やる気のない教師像を貫く主人公「ナカムラ」と、そんな教師と関わることになってしまった、生徒達との不思議な時間を描いた本作。作者「瀬川藤子」は確実に天才肌タイプの作者で、絵・キャラ・ストーリーのバランスが抜群に良い。どことな…

南国トムソーヤ

「東京トイボックス」の作者「うめ」が描く、日本最南端の島の舞台にした冒険の物語。本島からやってきた少年と、地元の少年が出会う導入部分の物語は王道で良かったが、もう一つの裏のエピソードが複雑で、全3冊で纏めるには非常に厳しい作品だった。島を舞…

ちゃぶだいケンタ

今となっては有名マンガ家となった「うめ」だが、小沢高広と妹尾朝子のコンビが、ここまで有名になるとは、本作の連載当初は、予想もできなかった。貧乏小学生と、クズ親父というキャラクターを舞台に、初期は完全に稲中の影響を受けたシュールなギャグマン…

チューロウ

中学浪人という斬新な設定をテーマにしたベテラン「盛田賢司」屈指の名作。90年代にこの作品を発表して以来、作品を創り続けている作者だが、20年後の最新作で、同じ中学浪人をテーマにした作品に回帰したのは、やはり、それだけ思い入れがあったのだろう。…

逃げるは恥だが役に立つ

社会現象になった「逃げ恥」の原作も、ついに完結。以前も似たような事を書いたが、往年のマンガファンからしてみると、「海野つなみ」の作品が、ここまでメジャーになるとは予想だにしなかった。マンガ原作自体は、非常に人を選ぶ絵柄とキャラクターの作品…

純真ミラクル100%

ラブコメ中心に作品を展開する作者「秋★枝」の初期作品。アイドルを目指す純真な主人公「モクソン」と、モクソンをいじめる事に喜びを感じる芸能事務所の女性所長という設定で始まる本作だが、徐々にその部分は薄れて、ある意味アイドルを目指す主人公とその…

いつでも夢を

「原秀則」全盛期である。漫画家をマンガにした作品は、今でこそ出揃ってきた感じがあるが、90年代頃までにそのテーマを描いた作者は少ない。 「まんが道」という王者がいた為に、長年、新規参入が少なかったジャンルである。そして90年代という、マンガ…

青空にとおく酒浸り

引き続き「安永航一郎」 小さい時の事故から、体の中にマイクロマシンを飼っている超人女子高生の物語だが、その辺りの設定はかなり適当で、ひたすらドタバタ、下ネタバトルを繰り返す本作。 表紙の不細工な親父が最強という提供なキャラクター設定と言い、…

県立地球防衛軍 完全復刻版

「中津賢也」とくれば、やはり、「安永航一郎」に続くわけである。最近なぜか、完全版が発売されてしまった「県立地球防衛軍」。どうして27年ぶりに復活させたのか、全くもって理解に苦しむが、80年代頃の空気感を感じる意味では最適な作品かもしれない。そ…

黄門じごく変

懐かしのサンデー作品シリーズ十数年ぶりに古本で再読。まさに80年代サンデーを代表する作者の一人「中津賢也」その絵柄、作風、キャラ、ストーリー。全てが当時のサンデーの雰囲気を象徴している。格好いい絵柄に、チートすぎる強さの主人公と、地獄と人間…

SHADOW SKILL 影技

24年である。完結まで24年。途中何度となく連載雑誌が休刊になり、流石にもう完結は無理かと諦めていたが、結局24年かけて完結させてしまった。まさに修練闘士(セヴァール)並のしぶとさである。 しかし、それだけ雑誌を変えても本作が続いていたのは、やは…

怪談人間時計

世の中には、どうにもカテゴリー分類できないマンガがあるわけで、本作「怪談人間時計」は間違いなくそれに該当する。当時、書店でこの作品を見つけた時のインパクトは凄まじかった。そして、中身を読んでまた驚く。とにもかくにも、カルトとしか言いようが…

アオとハル

「たまりば」の作者「しおやてるこ」が描く青春恋愛作品。前作の主人公「ハル」の学生時代を描いた作品だが、物語的にはつながりは無いので別々に読んでも全く問題ない。不器用なメガネ主人公「ハル」が、街で見かけた美少女「アオ」に魅かれていく導入部分…

輝夜姫

「清水玲子」の描く世界の美しさを楽しむ為だけにある、といって過言でない作品。序盤のヒキは相当なもので、かぐや姫伝説と、その生贄に、沖縄の孤島で育てられた子供たちというミステリーサバイバル形式の展開に吸い込まれたが最後、読めば読むほど、不可…

4ジゲン

天才コンビでありながらも、超絶に仲が悪い「にざ」と「かな」による名作4ジゲンもついに3冊で完結したかと思いきや、普通に4巻が出てるあたりが凄い。あの、3巻での完結する気満々の空気は何だったのか。 惜しいかな、「B.B.Joker」は超えられな…

このたびは

(2013年評)相変わらず短編を描かすと上手い作者「えすとえむ」による作品集。 三十路女性のお見合い結婚を描いた「ふつつかものですが」にはじまり、最後の表題作「このたびは」までどの短編も味わい深く面白い。 少し癖のある画風に騙されてしまうが、キ…

退引町お騒がせ界隈

ベテラン「遠藤淑子」が描く、町系ジャンルの良作。騒々しいキャラクター達が退引町を舞台にドタバタと活躍する、90年代を感じさせられる作品である。作者の作品としては、最初期の長編シリーズで、ギャグからシリアスな話まで、玉石混合に含まれており、こ…

鋼鉄の華っ柱

相変わらずの「西森博之」作品である。御曹司の頂点から一気に没落する第一話から始まり、それでも鼻っ柱が折れない主人公「御前崎真道」。そんな魅力的な主人公をもってこれたのは良かったのだが、ここ近年の西森作品らしく、物語の構成がどうにもならない…

さよなら、カルト村

「高田かや」の描く、看板に偽りなしのエッセー作品第二弾。画風や構成も前作より洗練されており、作品としてのインパクトは当然前作より落ちるが、それでも、続きが気になっていた読者としては、満足できる内容になっている。それにしても、カルト集団と呼…

サラリーマン拝

「吉田聡」の描く、奇想天外なサラリーマン物語も全9冊でついに終了である。喧嘩が強くビジネスに強く、インテリジェンスもあって義理人情に意外に熱い。 こんな無茶苦茶で格好いいサラリーマンは、金太郎以上に実社会には存在しないわけだが、それでも、こ…

伊豆漫玉日記

知っている人は知っている。知らない人は全然知らない。そんな定番の桜玉吉「漫玉日記」シリーズ。往年のファンとしては、もはや、新刊がでるとパブロフの犬として購入してしまうので、面白いかどうかは二の次である。しかし、作者も五十半ばという事で、と…

二十面相の娘

非常に良い意味で、独特の作品である、莫大な遺産を継いだ令嬢と、怪人二十面相の物語で、クラリスとルパンの続きを描いたかのような作品。 衝撃的な展開といい、設定といい、なかなかに続きが気になる序盤に比べると、中盤以降がやや弱いのは、巻末で作者が…

ハルシオン・ランチ

「無限の住人」の「沙村広明」が送る、コメディ作品。 ホームレスのおっさんが川辺で出会った謎の美少女は、何でも食べてしまう謎の宇宙人だった。それこそ、人間すら食べてしまいかねない危険な宇宙人を野放しにできず、ホームレスは彼女と旅に出るわけだが…

らせつの花

「潮見知佳」の描く、オカルト恋愛シリーズシリーズの第二弾。三部作の中では、本作の出来栄えが一番良い。 20歳の時に命を奪われるという悪霊の呪いを抱えながら、心霊退治を続ける主人公「羅雪」と、前作、「ゆららの月」から登場する、もう一人の主人公「…

魔法先生ネギま!

本作は、明らかに当時の赤松健の最高傑作だった。 当初連載が始まったときは、著しく嫌悪したこの作品。クラスメイト全員がヒロインなどと、商業主義もいい加減にしてほしいものだ、と感じた。 しかし、読み進めてみると、意外に、いや想定外に面白かったの…

兎の角

女装男子の主人公真白アヤと、ヒロイン天沢イズミの除霊物語。 1巻が出た頃は、もう少し続くかと思われたが、すぐに息切れが始まり、最終的には萌え中心になっているので3冊完結で丁度よかったのだろう。 「睦月のぞみ」名義作品としては最長か。作品発表…

私が妻にしたイタズラ

珍しく電子書籍出身作品のご紹介。本作は、twitterで世の中に知れ渡った、食べても食べても減らない魔法のおにぎりの作者「漢弾地」による日常エッセイマンガである。twitterで見た時から、気になっていたが、作品になっていたことは知らなかったので即購入…

カルト村で生まれました。

看板に偽りなしの作品である。マンガの歴史に伴い、様々なジャンルのエッセイ系作品が増えてきたわけだが、その幅広さも、ついにここまで来たか、と感慨深い。某〇ギシ会で幼少時代から青年期を過ごした後に、一般人となった作者「高田かや」による、カルト…

煩悩寺

変わり者の兄から送られてくる、様々な遊び道具に囲まれたアパートの一室。 煩悩寺と名づけられたその部屋で、無為な日常を送る、小山田君と小沢さん。 時間や金銭から切り離された煩悩寺の空気は、近年の若者生活の一面をある意味正確に切り取っている。 作…

MASTERキートン Reマスター

年末なので、あの偉大なる作品の続編の話を。発売から随分とレビューまでに時間がかかったのは、本作に対する違和感の正体が長い間わからなかったからでもある。改めて時間をおいて、本編から通しで読んでみた結論だが、やはり本作の存在は「蛇足」だったと…

少年三白眼

「こどものじかん」の私屋カヲルが、初期に少女漫画誌で連載していたギャグ作品。それが、本作「少年三白眼」である。三白眼の主人公、ヒロムはその容貌ゆえに友達ができず、涙する日々。そんなヒロムの学園生活を描いたコメディ作品である。 序盤からして、…