つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

総合3.0以上(読んで損はない)

男おいどん

貧乏マンガの原点と言われる本作は、作者「松本零士」の出世作でもある。文庫版最終巻のあとがきでも語られているが、自身の体験した貧乏な時代の鬱屈とした感情を作中で描く事で、当時の若者から絶大な支持を得た本作だが、流石に作品発表から50年ほどが経…

大トロ倶楽部

麻雀マンガの重鎮「片山まさゆき」がファミ通に連載していた頃の異色の作品。全2冊ではあるが、もともとがファミ通の4ページ程度の連載なので、連載期間はそれなりに長かった人気作である。当時の人気ファミコンゲームをベースに、色々な作品を混ぜ合わせ…

少年エスパーねじめ

一体なぜあの週刊少年ジャンプがこのマンガ家を採用しようと血迷ったのか今もってわからない天才作家「尾玉なみえ」 雑誌掲載から10年近くが経過した今もなお、ここまでカオスなマンガは正直少ない。その意味では最先端である。 ジャンプが誇る天才ギャグ…

A・Iが止まらない!

近年のハーレム系ラブコメかつ主人公が受け身という流れは、やはり「赤松健」から始まったのではないだろうか。そして、その根底が作者のデビュー作となった本作である。この作品の何が凄いかというと、「PCから自分の理想の美少女が出てきて取り柄がない自…

サユリ1号

「村上かつら」の代表作といえば、やはりこれだろうか。自分の妄想の中の美少女とそっくりの人物が、現実に現れたら人はどんな反応をするのか。そんな思考実験ともいえる設定に、大学生活という不思議な時間軸と人間関係を絡めた本作の登場に、当時は随分と…

土偶ファミリー

主人公が土偶という謎の設定の学園コメディ作品。それが、土偶ファミリーである。作者「西川伸司」は、特撮映画のキャラデザイン等も手掛けるベテランで、本作は、土偶の参考書としてなぜか大英博物館にも展示されたことがあるのだから、まさに謎の作品と呼…

破壊王ノリタカ!

後に、数々の同系統の作品を描き続ける事になる作者「刃森尊」の最高傑作と言えばこれだろう。超貧弱な主人公「沢村典隆」が、蹴道部のスキンヘッドのコーチ「丸山」から、一見遊びにしか見えない謎のトレーニングを仕込まれていく事で、次々巻き込まれる学…

ボーイズ・オン・ザ・ラン

ある程度有名なマンガの中でも気をつけなければいけないのが、この「花沢健吾」作品である。最近ではアイアムアヒーローの、投げっぱなしエンドで、多くの読者をショックのどん底に陥れたが、この作者が謎を解かなかったり、読者にカタルシスを与えなかった…

ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

ジャンプという連載誌の作風にまったく合わない、独特のセンスと画風を発揮した「西義之」の代表作。ただし、雑誌の雰囲気にはあわなかったが、序盤の頃に描かれていた魔法律という設定と、少し不気味で少女マンガ的なオカルトの雰囲気は、十分面白く、ファ…

疾風の勇人

近年数少ない政治マンガとしては非常に期待していただけに、本作の終了は残念だった。時代背景的にも池田勇人が活躍した頃は、非常に面白い時代なのだが、残念ながら首相の座に辿り着く前に終了という事で、人気がなかったのか、圧力があったのか、この辺り…

焼きたて!!ジャぱん

パン職人という珍しいテーマを扱ったマンガの中では、最も有名と思われる本作。 主人公「東和馬」は、パン職人に憧れる少年で、日本人にとってのご飯のようなパン=「ジャぱん」を作る事を夢に職人としての道を目指す。序盤の面白さは大変素晴らしいものがあ…

ラッキーマイン

異色のテーマを追い続ける作者「鈴木マサカズ」による、人生における「運」をテーマにした本作。作中で、ラッキーマインと呼ばれる、運の鉱脈を持つ男として、命がけのロシアンルーレット繰り返す主人公を描いた本作だが、昨今流行りのデスゲーム系の作品と…

ラスト.ワルツ―Secret story tour

今なお孤高の存在である雑誌アックスで連載された、作者「島田虎之介」の恐るべき処女作。 ここまで壮大な物語を語られると、読み手としては正直、評価が難しい。 昨今流行りのマンガというより、これは物語なのだ。 マンガという表現を使っているが、絵と文…

なぁゲームをやろうじゃないか!!

「桜玉吉」御大が、まだ精神を病みきっていない時代に書かれた謎のマンガである。 なぁゲームをやろうじゃないかのの頭文字をとって「なげやり」とつける辺りに、当時の御大の才能が光る。 ゲームのタイトルを全て不真面目に解釈し、全く関係のない無駄な話…

三文未来の家庭訪問

鬼才「庄司創」による少し不思議な短編集。 表題作「三文未来の家庭訪問」は、アフタヌーンで連載した「白馬のお嫁さん」の原型を感じさせる作品だ。 個人的には「白馬のお嫁さん」より、この頃の、少しだけ緊張感を伴う、近未来の世界観が好みである。 ただ…

ソレミテ ―それでも霊が見てみたい

この作品を超える怪奇コミックには、多分もう出会えないかもしれない。 個人的には大好きだったが、恐ろしいので、家には置いておけない本作。ちなみにギャグマンガである。 どうしても幽霊が見たいマンガ家「小野寺浩二」と「石黒正数」の二人が、お互いに…

少女漫画

「松田奈緒子」作品は、どれも味があって面白い。 本作は、「ベルばら」や「ガラスの仮面」等、有名少女漫画作品をテーマにし、それぞれの少女漫画に憧れた女性たちが、そのマンガを心の支えに、現実の世界を闘っていく日々を描いたオムニバス作品。 「少女…

雑居時代

久しぶりに読んだ「山内直実」である。外面抜群の才色兼備の万能委員長「倉橋数子」と、マンガ家志望の同級生「三井家弓」に、神経質な浪人生「安藤勉」の3人が、一つ屋根の下で暮らす、まさにタイトル雑居時代通りの作品である。山内作品の特徴なのか、80年…

γ-ガンマ-

また、萌え系ダークサイドに落ちてしまった、残念なマンガを読んでしまった。 ヒーローとは何か、という深いテーマに少年誌の絵柄を使って真っ向から切り込んだ面白いアクションマンガを読んでいると思ったら、次第に主人公姉妹の百合マンガになり、最後はエ…

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話

エホバの証人と思われる宗教を信じる母親の元で育った作者「いしいさや」の物語。やはり、伝えたいことがある人が描く作品というのは力強いもので、画力やセンスとは全く別の次元で、宗教勧誘を取り巻く環境の真実の一面を描いている。近年では「高木かや」…

キャラメルタイム

生徒数の減少により廃校になることが決まった田舎の高校の図書館部に所属する主人公「百(もも)」。 幼い時に離れ離れになった幼馴染の「時(とき)」が田舎に帰ってくることになり、彼を無理やり図書館部に誘ったのはいいものの、「廃部になるから学校の図…

人は見た目が100%

オシャレに憧れる理系女子もどきの3人組が、毎回新しいテーマのオシャレに取り組むという、ありそうでなかった作品である。この手の女性雑誌におけるギャグ枠の作品は、ハマるときは本当にハマる面白い作品が出るので、本作も連載開始と同時に注目していたと…

まじめな時間

「月に吠えらんねえ」の「清家雪子」によるまじめな死後の世界の物語。不慮の交通事故に巻き込まれて死んでしまった女子高生「一紗」が自分の死後の世界を幽霊になって眺める事になる。死後の世界を描いた作品といえば、やはり、「吉富昭仁」の「ツレビト」…

局地的王道食

「松本英子」のW完結フェアという事で、今回は、2巻で完結した局地的王道食。ちなみに局地的王道食とは、「作者のこころのだいじな食べ物」の事らしい。この作品、本当に好きだったので2巻で完結が非常に残念。異端の作者に相応しい、他の人がそこまで愛さな…

謎のあの店

松本英子がW完結フェアという事で、2作連続レビューとなる。まずは、3冊で完結となった「謎のあの店」から。作者が気になる、街中の不思議な謎のあの店に入店してしまうという怪しいコンセプトと、「松本英子」の作風が完全にマッチしており、この点は流石…

わたしの宇宙

登場人物が徐々に、自分たちがマンガの世界の住人である事に気がついていく、いかにもIKKIらしい意欲作である。この手のメタ作品はある意味誰もが一度は妄想する設定で数年に一度は作品レベルで登場して話題になるのだが、やはりオチが常に難しい。作者「野…

バロンドリロンド

競馬マンガというジャンルは、作品数が少ないマイナージャンルなのだが、その中でも知名度が低い本作「バロンドリロンド」女性騎手でGⅠを目指すという目の付け所の良さは、流石に、原作「北沢未也」だけの事はある。反面、女性主人公キャラクターの極端な性…

ハシレジロー

絶対に面白く才能があるのに、どうにも売れる作品に繋がらない作者「瀬川藤子」 お寺の次男坊に産まれた主人公ジローの仏教学校での日常を描く作品だが、今回もいつもと同じ水準で面白い。しかし、全2冊で打ち切り、勿体ない話である。ストーリー・絵・キャ…

PON!とキマイラ

近年寡作気味になっていた作者「浅野りん」の初期作品。マンガの基礎レベルがとにかく高い作者なのだが、どうにも代表作に恵まれない傾向がある。本作は、空から降ってきた神獣「キマイラ」を、強欲な主人公「八満」が拾った事をきっかけに神獣の巫女が居候…

火消し屋小町

元々、社会派の作品が描けるバックグラウンドのある、「逢坂みえこ」だったが、近年は育児、アスペルガー、認知症、とキャリアを積むにつれて良い漫画を排出している気がする。そして、その辺りのジャンルに明確に踏み込み始めたのが、本作「火消し屋小町」…