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つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

防衛漫玉日記

(2012年評) ふと思えば、随分と「桜玉吉」の姿を見かけていない。 鬱病マンガの最高峰が、「幽玄漫玉日記 」だとすれば、本作はその日記シリーズの始まりの作品である。 まだまだ、画風、作風共にエネルギーがあふれており、読者の笑いを取ろうという姿勢…

グミ・チョコレート・パイン

大槻ケンヂの半自伝的小説をマンガ化した作品。 小説は未読だが、原作とマンガはかなり異なるようだ。 クラスの中では地味な存在で、けれども自分は特別な何かを持っていると信じる主人公。 そんなありがちな妄想と、何も変わらない現実。 それらを打ち壊す…

緋色の椅子

夏目友人帳の「緑川ゆき」が描く、ファンタジー作品 貧しい村で育った少女セツと、その幼なじみルカ。 しかし、ある日彼の元には王族の遣いが現れ、彼に王位を継がせるべく王都に連れて行く。 再開を誓った二人が、再び王都で出会った時、予想もしなかった事…

あかく咲く声

彼の声が気になり、告白を決意した主人公「佐和」が目にしたのは、その声を武器にして、警察組織に加勢している、クラスメート「辛島」の姿だった。 辛島の声は、独特の響きを持ち、聞く人をその命令に従わせる不思議な力を持つ。 それ故に、彼は普通の人間…

とっても!ラッキーマン

十週打ち切り。それは、少年ジャンプにおける名誉の戦死。 およそこのレベルになると、第一話を読んだ時点で、続かないな、とわかる。 そして、その読みが外れることは殆ど無い。 けれども、多くの読者が長期連載や映画化を予測できなかったであろう偉大な作…

青春は薔薇色だ 人生は薔薇色だ

最も好きなマンガ家の一人、「桑田乃梨子」作品シリーズをしばらく忘れていたので、しばらく桑田作品レビューが続く。 制服フェチの女子体育教師森島と、サッカー部の人気者広瀬。 恋愛関係など微塵も発生しなそうな二人の、薔薇色の高校生活を描いたラブコ…

あねさんは委員長

「こなみ翔子」の初期傑作。 クラスの委員長であるヒロインと、そんな彼女に惚れてしまった、彼氏の物語。 ただし、彼氏の父親はヤクザの組長。 少女漫画で学園もので、彼氏がヤクザの息子というのは80年代としては非常に新しかったと記憶している。 最近の…

日々我人間

久しぶりにAmazonを眺めていたら、「桜玉吉」の新刊発見!という事で即購入。玉吉信者としては、作者が死んでないだけで嬉しくなって読んでしまう本作だが、かつての作者の全盛期を知らない人が読んでどれだけ面白いのか全く不明。この辺りはエッセー系マン…

本屋の森のあかり

最近は少なくなったが、地味だが面白い作品というのがある。 「磯谷有紀」が描く本作は、女性主人公が書店で働く地味な作品だ。 多少人気が出た時期もあったが、万人に受けるタイプの作品ではない事は確実だ。 しかし、この作者の持つのんびりとした雰囲気と…

デラシネマ

「星野泰視」の描く映画現場を舞台にした作品。 戦後間もない時代背景の中において、映画というエンターテイメントがいかに重要な存在であったかを痛感する。 また、マンガという舞台にこれほど似合う素材も少なく、この分野をさらに開拓した作品に出会いた…

飯の旨さを描かせれば、「ラズウェル細木」の描写はもはや職人芸である。そして、そんな作者が鰻だけをテーマにして挑んだ連載「う」 確かに日本人は鰻好きだが、それにしても、短編で鰻だけがテーマでよくも4冊も続いたものだ、と呆れてしまう。 そして、…

ケサラン・パサラン

「山岸涼子」の描く風水をテーマにした異色作。主人公のイラストレーター星由良子は、家を建てる事を決意し、希望の場所に土地を手に入れるが、占い師に衝撃の言葉を告げられて。。。 主人公の堂々巡りの思考に若干いらいらさせられるものの、家を建てるとい…

ぼくらの

「鬼頭莫宏」作品には、圧倒的に欠落しているものがある。それが「死」へのリアリティーだ。 すべてのキャラクターが、あたかも死を受け入れて、死を平然と乗り越えようとする。 そんな妄想に取り付かれたフィクション世界。その辺りの感覚は、「なるたる」…

スキマスキ

「宇仁田ゆみ」作品。 スキマが好きな主人公は、カーテンのスキマから見える隣のお姉さんが気になる日々。 けれども、スキマから見えるという事は、相手からもこちらが見えているという事で。。。 何とも地味で飄々とした作品。 初期の作品らしい、奇抜なテ…

花吐き乙女

花吐き病片思いをこじらせると、苦しくなって花を吐く。 完治する方法は、ただ一つ。相手と両思いになる事。 さすがは、奇才「松田奈緒子」常人には思いつかない発想である。 この「花を吐く」という表現が、目に見えないはずの恋心の比喩表現になっており、…

アウトランダーズ

最近でこそ、一般誌でその名を見なくなった「真鍋譲治」だが、やはり、 初期作品のエネルギーは底知れないものがある。美少女異形の生命体宇宙戦争爆発シーンetc とにかく新人とは思えない、圧倒的な描写力である。 物語自体は、いささか強引な展開の末、ハ…

エンジェルお悩み相談所

「惑星のさみだれ 」の「水上悟志」が送るプチファンタジーコメディ。 公園のベンチでお祈りすると、自分の悩みを解決してくれる天使が現れる。 悩みの幅は様々で、仕事、お金、恋の悩みと依頼は様々ふってきて、エンジェルのおじさんは適当に頑張って悩みを…

1ポンドの福音

食べることが大好きでいつも減量に失敗するボクサーと、その懺悔を聞く教会のシスター。 文字にすると違和感しかない組み合わせだが、天才の手にかかればエンターテイメントとして完成してしまうのだから、恐ろしいものだ。 高橋留美子自体は、マンガの上手…

あすなろ白書

「柴門ふみ」が描いた最も壮大な実験作。 それが「あすなろ白書」に対しての素直な感想だ。 作者が最も描きたかったテーマを描いた故に、そのテーマに翻弄された作品。 主人公「なるみ」の女性としての描写に関しては、文句の付け所が無い。 この時代に、女…

EIGHTH

「河内和泉」の描く、SFアクション作品。バイオテクノロジーの研究所に所属するガードの主人公が、不思議な能力を持つヒロインをガードする事から始まる物語。あくまで遺伝子工学や医療研究といった「舞台」を元に展開するアクション作品なので、その辺りの…

キャラバン・キッド

「真鍋譲治」といえば、「銀河戦国群雄伝ライ」が代表作だろう。 しかし、若干、冗長であり、27冊読み通すのは疲れる。 それに比べると本作は全5冊で大変読みやすい。 何より、デビュー作「アウトランダーズ 」の良さを活かしながら、ストーリー構成が進…

からん

好んで読んでいたレビューサイトで以前、 「からん」が物凄く良いところで終わってしまった… と書いてあるのを見て以来、読みたくもあり、打ち切りが悲しくもあり読めなかった作品。 ついに読んでみたが、大変惜しかった。これは素晴らしい作品だった。 そも…

日本ふかし話

誰の記憶にも残っていないようなマイナー作品を書いてみる。 鬼が怖くて鬼退治をやめる桃太郎。焼饅頭が好きで拳銃を撃ちまくる犬。高飛車でお金好きの女性サルノビッチ(猿)変装が得意なキジ。 そんなどうしようもない一行が昔話の中を旅する道中記。 心底…

東京家族

奇才「山崎紗也夏」が描く不思議な家族の物語。 作家「原田壮」が、社会的名声を手にし始めた頃、昔の女性が子供を連れて彼の家を訪れる。 若い頃に彼女に苦労をかけた事を思い出し、彼は償いの意味で、子供を引き取る決心をする。 そして、新しい生活が始ま…

変身のニュース

(2012年評)ついに発売された。 「夕方までに帰るよ」で、劇的な印象を残した奇才、「宮崎夏次系」の短編集である。 異様 その一言につきる。 まだまだ奔放に作品を作っている段階だろうが、明らかに異端の才能。 レビューはできない。全ての短編が異常だ。…

僕はムコ養子

大財閥の竜神家の娘と結婚して婿入りした主人公。 しかし、新婚旅行の翌日に、竜神家が破綻して、残ったのは、本家の義母と義姉2人を狭い一軒家で支える生活。マンガならではの現実離れした設定だが、それゆえの面白さもある。 物語自体は、ムコ養子がいじ…

式の前日

(2012年評)また、帯にやられてしまった。 「発売3日で早くも増刷」の帯に。やはり、過剰な煽り帯には変に期待感を高めさせられてしまうので、逆に読んでからのギャップが激しいのだろう。 作品としては、帯いわく「泣ける短編」を6作収録した作品である…

流星課長

「どんな満員電車でも 必ず座って帰る伝説の中間管理職」 それが流星課長 ロシアからの刺客や、総理大臣を相手にしても流星課長は必ず座って帰る。 とりあえず、これほどバカバカしいマンガには、そうはお目にかかれない。レビューを読むより一読しろ、とい…

魔少年ビーティー

天才「荒木飛呂彦」の才能を見せつける初期傑作。 このオリジナリティは、一体どこで身につけるものなのか。大変な鬼才である。 以前、友人と荒木作品の天才性について語り合ったとき、出てきた話題が 「編集部に、この原稿を持ってこられたときに、そのまま…

ポテン生活

忘れないうちに書いておく。そんな、忘れられてしまうような薄さと、必ず読んでいた面白さの両立。それがポテン生活。 断言するが、作者「木下晋也」は天才である。 当時、MANGA OPENが本作に大賞を与えたときに、その審査員の慧眼に恐れ入ったが、…

地獄-西岡兄妹自選作品集

西岡兄妹 この作者の名前からして、なんとも不思議な感覚に陥れられる。 そして、その内容。 マンガの世界というよりは芸術寄りなのだろうか。 少なともこの作者に既存のマンガを作ろうという気は全くない。 コマ割りはあまり利用せず、その分、絵や文章が映…

緑茶子ちゃんのこと

「鴨居まさね」作品が、万人に評価されるかはわからないが、等身大の女性キャラという意味では、この作者に匹敵するマンガ家は少ないだろう。マンガのストーリーがあるというよりは、生々しい女性主人公がまず世界の中心に存在し、彼女を軸にしてストーリー…

フラワー・オブ・ライフ

「よしながふみ」の描く学園作品。 無論、よしなが作品なので平均点以上には面白いが、手放しでお勧めは出来ない。 原因としてはやはり、作者の精神年齢が、男子高校生の精神年齢よりはるかに高くなってしまっている点だろう。 白血病で死に掛けた男子高校生…

神風怪盗ジャンヌ

「種村有菜」の最大の出世作。 他の作品はいまいちだが、この作品は好きというご意見が多い。確かに本作は、作者のイズムがまだまだ少ない新人時代の良さが表れている。 本当に純粋に、作者が少女マンガを楽しんで描いていることが、あとがきや柱書などから…

夕凪の街 桜の国

広島と原爆の物語この手の話はイデオロギーと歴史観に多分に左右されるので、面白い面白くないでは、ないと思われる。 読みたい方は読んでみると良い。個人的には作者が背伸びしていない感じが良い。 「広島在住だが、原爆とは縁遠かった」というこうの史代…

喰霊

霊が視えてしまう主人公は、偶然のきっかけから、体の中に霊獣を宿す少女と出会い、悪霊との戦いに巻き込まれていく。 作品設定自体は、よくある内容だが、物語のテンポ、キャラクターの動き、バトルの描写等のセンスが非常に高い。 絵が飛びぬけて上手いと…

昭和元禄落語心中

落語をテーマにした異端の本作も全10冊でついに完結。半端なヤクザ者の主人公「与太郎」と芸事を極めた師匠「八雲」の二人の掛け合いを楽しむ序盤の面白さは圧倒的で、新時代の落語マンガの登場を思わせた本作だったが、最終的に、想像以上に少女マンガに落…

強風記

「カラスヤサトシ」シリーズ ただ、今までの作品と完全に異なり本作は、エッセイマンガではない。 売れない小説家の人生を描いた強風記や、時代劇としてのHOME、意外に上手いまとまりをみせている短編かみなりの3篇を収録した作品集だ。 「強風記」こそ、い…

クール・ガイ

クールな彼氏と天然な彼女のベタな展開の恋愛マンガ。今となってはかなりの定番だが、90年代中盤においては、まだ先駆けの部類だろうか。序盤は良くある少女漫画で、後半、作風に若干オリジナリティが見られるものの、あまり昇華されずに終わってしまった点…

私立樋渡高校COMICS

90年代後半といえば、オタク系の作品が、マンガ、アニメ共に増殖しつつあった時代だが、その世相を見事に反映した、オタク系COMICSが本作である。 漫研所属ながら、自前の技術でビームサーベルを作成して、高校の番長に君臨する主人公「安八」 そん…

プライド

資産家の娘に生まれ、美貌と美声を兼ね備えた主人公「史緒」と、対照的な育ちながら、野望と策略でオペラ歌手になる夢を果たそうとする、もう一人の主人公「萌」 タイトル「プライド」の通り、二人の女性のプライドを交えながら、それぞれの人生を描く作品。…

人類ネコ科

故「みず谷なおき」が遺した学園ラブコメディ。 女嫌いの主人公が、学園トップの美少女に告白されるという、妄想著しい展開で物語は始まる。 昨今の萌え系マンガでも困難なご都合主義の展開だが、80年代の作品である点を考慮すると、萌え作品の走りともいえ…

冬物語

情けなく優柔不断なキャラクターといえば、本作の主人公が思い出される。 何の目的もないまま、予備校に通い、かわいい女の子に魅かれて東大進学コースを選んでしまい、流されるままに日々は過ぎ去り、二人の女性の間で揺れ動き、結局、どうにもならない自分…

ハロー・グッドバイ

(2012年評)3D彼女完結なので、那波マオ作品レビューを。 完成度の高さでは、「彼女ができたから。 」の短編、読んでいての楽しさでは「姫ママ!」等がお勧めだが、挑戦しているテーマの難易度では本作が一番面白い。 初めてつきあった彼氏にふられて、や…

ナゾ野菜

「ブスだけどマカロン作るよ」に収録されていた、謎の野菜を「めんつゆ」でひたすら虐待する謎の料理マンガ「ナゾ野菜」が奇跡の連載化を果たしたのが本作「ナゾ野菜」である。自分の文章ながら、読み直してみて全く意味のわからないあらすじだが、「カレー…

はぴぷり

(2012年評)高河ゆん作品とは思えない雰囲気だが、子供モノが好きな方にはお勧めしたい。自身の経験を踏まえながら描く、母と子供の日常物語。 昨今のエッセイ系のマンガではなく、キャラクターも物語もいかにもフィクション的な要素を加えて創られているが…

夢見るトマト

鬼才、石坂啓による冒険的な作品。 幼馴染の男性二人と女性一人が同棲を始めるというごくごくありふれた展開から、物語は始まる。 当初は、男性恐怖症のヒロイン「とまと」と、フツウの主人公「玉吾」によるラブコメのような展開で導入される本作。 しかし、…

eensy-weensyモンスター

カレカノの「津田雅美」による全2冊の短編ラブコメディ。 むしろ、この程度の長さの作品のほうが、20冊近く付き合わされるより気楽に読めて良いのかもしれない。 内容自体は普通のラブコメディだが、前半の女性主人公の視点と、後半の男性主人公の視点から…

とよ田みのる短編集 CATCH & THROW

大変「とよ田みのる」らしい作品。奇抜な舞台と個性的なキャラクター。それでていて、どことなく泥臭い展開。 舞台が奇抜な為に、色々な作品を描いている様に見えるが、テーマはどれも似ている。そんな短編集だ。 個人的に一番好きだったのは、やはり表題作…

3D彼女

3D彼女ついに完結である。「那波マオ」作品にして、まさかの10巻越えを果たして、全12巻完結となったわけだが、読後感としては、若干物足りなかった。というか、恐らく作者に期待し過ぎていたところが多分にある。ラストの展開に不満はないのだが、この作…