つれづれマンガ日記 改

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イリヤッド 入矢堂見聞録

原作「東周斎雅楽」と作画「魚戸おさむ」という
ベテランコンビが描く、考古学サスペンス作品。

東周斎雅楽」といえば「長崎尚志」の別名義なわけだが、
どうにもこの手のサスペンス作品を描かせると、
結末の見えない迷宮に入り込むので性質が悪い。

そんな中でも本作は、主人公「入矢修造」のキャラクターと
幻の大陸アトランティスを見つけるという壮大な設定が巧くはまり、
終盤近くまでは十分な面白さを保っている点は他作品に比べて評価できる。

ただし、ラストで全ての伏線が綺麗に回収されたかというと、
どちらかというといつもの長崎作品らしく、
思わせぶりなフレーズが、とぎれとぎれに登場して、
最後は読者がなんとなく煙に巻かれてしまうという
お得意のラストで終わってしまった気がする。

途中までの面白さは十分なだけに、非常に勿体ない作品である。

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