つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

c2_短編(5冊以内)

タネも仕掛けもないラブストーリー

高校の手品部を舞台にしたラブコメ作品が、全3冊で完結。手品部という設定は悪くなく、そこに、アイドルを目指しているヒロインが加入するという導入部分は良かった。加えて、彼女の手品が実は超能力だったという設定も、興味深いところだったのだが、予想以…

ジュゲム・ジュゲム

地味な作者「ケイケイ」が送る何とも言えない女性の日常を切り取ったオムニバス形式の作品。非常に地味な作品なのだが、どこにでもありそうで、なんとも言えない日常を面白い物語として描く腕前はなかなかのもの。キャラクターの表情も目玉が描かれるだけで…

掟上今日子の備忘録

マンガ版は5巻で第1シーズン完結との事。しかし、流石に原作「西尾維新」である。眠るたびに過去の記憶を失う忘却探偵という設定は、数多くの探偵マンガが乱立している現代においても色褪せない設定だった。そして、忘却探偵が登場する遠因を描いた2巻のスト…

うみべの女の子

オシャレ系最先端のマンガ家「浅野いにお」の作品。知っている限りでは性描写が最も多い浅野作品なので、その辺りが嫌いな人は読まないほうが良い。 いくつも浅野作品を読んできたが、そろそろ「浅野いにお」が理解できた。 最初に読んだ時のインパクトが素…

ヤスコとケンジ

俺物語でブレイクした作者「アルコ」の代表作。 元暴走族の総長「ケンジ」とそんな兄貴に頭を悩ます「ヤスコ」の二人の兄妹バトルを描いたコメディ作品。かなりギャグ寄りの作品で、よくありがちないざとなったら頼れるお兄ちゃん的な物語はあまりなく、強烈…

諸星大二郎特選集

最近のマンガ読者にはそこまで知名度が高くないが、往年のマンガファンには、圧倒的な天才として知られている作者「諸星大二郎」。 しかし、それにしても改めて読み返すと天才すぎる。どれをとっても面白い短編集で、個人的には「感情のある風景」に感動した…

どうにかなる日々

相変わらずマンガ読み泣かせの作者、それが「志村貴子」である。何か物凄く深いテーマ性や物語があるわけではなく、淡々と男と女や少年と少女や場合によっては少年と少年の恋愛やSEXを描く本作。シリーズで続く短編もあれば単品で終わる話もあり、テーマ…

アヴァール戦記

「群青」で名をはせた作者「中村珍」によるアヴァール物語。 物凄くファンタジー色の強い表紙はフェイクで、本作は、アヴァール=けちをテーマにしたドキュメンタリー作品である。 内容的には、絵を物凄く凝って描くと、アシスタントさんの代金や食費等も含…

あしめし

「アシスタトでメシが食えんのか」略して「あしめし」である。その名の通り、アシスタント体験ルポマンガであり、当初はブログで連載していたものが、昔の担当のよしみで書籍化。作者の「葛西りいち」は、その後、このネタを引っ張って、色々な続編を書籍化…

洗礼

加齢とともに美しさを失っていく恐怖に耐えかねた女優が、若さと美貌を取り戻す事だけを目的に、娘を産み、そして自分の娘と脳移植をするという伝説的な作品。 一度読んだら決して忘れられないこの設定は、マンガ黎明期にのみ許された特権であり、このインパ…

できるかな

「まあじゃんほうろうき」の頃から「西原理恵子」作品を読んでいるわけだが、既に二十数年が経過してしまった。その間、彼女のヒットにあやかろうと様々な女性ルポ系作品が世の中に登場したが、最後の女無頼派として、後続を寄せ付けなかった結果が現在の地…

LET IT BE!!

読者からの下ネタ相談という異色の作品「コイズミ学習ブック」で天下を取った作者「こいずみまり」の初の長編ラブコメ作品。決して絵が上手い作者ではないはずなのだが、マンガらしさの原型を感じる作風で、昔から同じような絵を描いているが、今でも古臭く…

ゲレクシス

「古谷実」が終わってしまったのかもしれない。ゲレクシス完結の2巻を手に取ったわけだが、そんな憤りを覚えるほど、どうしようもない終わり方だった。ご存知の通り近年の「古谷実」作品は、ここで終わるの?と思わせるようなタイミングで幕を降ろすのだが、…

オカルトの定番 ~ 低俗霊狩り 完全版

総合評価・・・3.42 80年代に登場して以来、現在に至るまで続いているオカルトジャンルの定番作品。作者「奥瀬サキ」も、まさかこの作品の寿命がここまで長くなるとは夢にも思わなかった事だろう。作品自体は連載誌の度重なる休刊により、非常に長い間未完の…

迷子屋

「木村りん」の初連載作品。精神が肉体から離れて迷子になると、人は記憶を徐々に失っていく。そして、記憶を失ってさまよっている人間の心を肉体に戻すための手助けをしてあげる主人公「迷子屋」 なかなか面白そうな設定の作品だったが、いかんせん、初連載…

精霊使い(エレメンタラー)

90年代に連載された伝説の作品であり、絶筆宣言後、しばらく消えたマンガ家になっていた作者「岡崎武士」の代表作である。第一部完という形で終了していた本作だが、「レッツラグーン」でマンガ家業を再開した事から、本作も、再編集特別版として日の目を見…

デカポリス

かなりのマイナー作品を、久しぶりに読んでレビュー。週間少年チャンピオンで、ひっそり連載していた刑事ギャグマンガ。2000年連載なので、約17年前になるわけだが、以後、「岩塚卓」名義の作品は出ていないので、既にマンガ界からは去ってしまったのだろう…

VIVO!

何とも自己中で、やる気のない教師像を貫く主人公「ナカムラ」と、そんな教師と関わることになってしまった、生徒達との不思議な時間を描いた本作。作者「瀬川藤子」は確実に天才肌タイプの作者で、絵・キャラ・ストーリーのバランスが抜群に良い。どことな…

ゴーゴー♪こちら華咲探偵事務所。 / はなたん―華咲探偵事務所―

この作品を読んだ頃には、「渡辺航」がその数年後に「弱虫ペダル」で大ブレイクするとは、思いもよらなかった。女性探偵所長「華咲サヤ」と、所長に振り回される新人「小金田一」という組み合わせで進む物語だが、まだまだ作者が描きたい領域が見えない時代…

南国トムソーヤ

「東京トイボックス」の作者「うめ」が描く、日本最南端の島の舞台にした冒険の物語。本島からやってきた少年と、地元の少年が出会う導入部分の物語は王道で良かったが、もう一つの裏のエピソードが複雑で、全3冊で纏めるには非常に厳しい作品だった。島を舞…

チューロウ

中学浪人という斬新な設定をテーマにしたベテラン「盛田賢司」屈指の名作。90年代にこの作品を発表して以来、作品を創り続けている作者だが、20年後の最新作で、同じ中学浪人をテーマにした作品に回帰したのは、やはり、それだけ思い入れがあったのだろう。…

純真ミラクル100%

ラブコメ中心に作品を展開する作者「秋★枝」の初期作品。アイドルを目指す純真な主人公「モクソン」と、モクソンをいじめる事に喜びを感じる芸能事務所の女性所長という設定で始まる本作だが、徐々にその部分は薄れて、ある意味アイドルを目指す主人公とその…

旦那が何を言っているかわからない件

まさにタイトル通りの作品で、オタクの旦那と普通の嫁というオタクが妄想する展開をひたすら続けるラブコメ作品。 元がWEBマンガなので、画力、構成、キャラクター共に水準は非常に低いが、この手のただラブラブしているラブコメ作品としては、キャラクター…

県立地球防衛軍 完全復刻版

「中津賢也」とくれば、やはり、「安永航一郎」に続くわけである。最近なぜか、完全版が発売されてしまった「県立地球防衛軍」。どうして27年ぶりに復活させたのか、全くもって理解に苦しむが、80年代頃の空気感を感じる意味では最適な作品かもしれない。そ…

徳川生徒会

引き続き「中津賢也」日本の戦国時代をモチーフにした、学園ばかりが集まる学園都市という設定は、30年前の作品だが、むしろ現代で通用する内容である。2巻作家の異名の通り、デビューから本作まで全て2冊で完結してしまい、以後、徐々にサンデーからその姿…

黄門じごく変

懐かしのサンデー作品シリーズ十数年ぶりに古本で再読。まさに80年代サンデーを代表する作者の一人「中津賢也」その絵柄、作風、キャラ、ストーリー。全てが当時のサンデーの雰囲気を象徴している。格好いい絵柄に、チートすぎる強さの主人公と、地獄と人間…

勇者ヴォグ・ランバ

それなりの量のマンガを読んでいるわけだが、やはり、評価が高くなる作品というのは、どうしても知名度が高いマンガが残ってしまう。面白いマンガというものは、どうしても世間が放っておかない側面があるわけだ。そんな中で本日レビューする作品は、ここ近…

I【アイ】

(2013年評)「いがらしみきお」渾身の異色作がついに完結した。 全3冊。 残念ながら、この作品のレビューはおいそれとは書けない。 雅彦とイサオの神様を探す旅。 もはや哲学なの狂気なのか、その境目が正直わからない。 ただ、人間が生きている間に、一人…

4ジゲン

天才コンビでありながらも、超絶に仲が悪い「にざ」と「かな」による名作4ジゲンもついに3冊で完結したかと思いきや、普通に4巻が出てるあたりが凄い。あの、3巻での完結する気満々の空気は何だったのか。 惜しいかな、「B.B.Joker」は超えられな…

退引町お騒がせ界隈

ベテラン「遠藤淑子」が描く、町系ジャンルの良作。騒々しいキャラクター達が退引町を舞台にドタバタと活躍する、90年代を感じさせられる作品である。作者の作品としては、最初期の長編シリーズで、ギャグからシリアスな話まで、玉石混合に含まれており、こ…