つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

チューロウ

中学浪人という斬新な設定をテーマにした
ベテラン「盛田賢司」屈指の名作。

90年代にこの作品を発表して以来、
作品を創り続けている作者だが、
20年後の最新作で、
同じ中学浪人をテーマにした作品に回帰したのは、
やはり、それだけ思い入れがあったのだろう。

作者の実体験に基づいた描写が多いのか、
中学浪人時代の様々な人間関係、
悔しさ、無力さ等が
等身大に描かれており、
今読み返してもなお、通用する面白さがある。

安易なハッピーエンドではなく、
深みのある描写を描いている最終回も見事。

90年代のマンガとしては渋すぎたのか、
全2巻の早期打ち切り作品になってしまっているが、
いぶし銀の作品が好きな方にオススメしたい隠れた名作である。

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