それなりの量のマンガを読んでいるわけだが、
やはり、評価が高くなる作品というのは、
どうしても知名度が高いマンガが残ってしまう。
面白いマンガというものは、
どうしても世間が放っておかない側面があるわけだ。
そんな中で本日レビューする作品は、
ここ近年読んだマンガの中で最も、
その面白さが世の中に伝わっていない事を危惧する作品だ。
世の中を良くするため、
人間から「苦痛」を取り除く政策
「ペインフリー」
その思想と体制への抵抗勢力の闘いを、
たった2冊の単行本に凝縮させた怪作。
世界平和への本気の考察という
哲学とSFに真剣に取り組んだ本作は、
レベルの高いマンガを読みたい方には
絶対おすすめの一品である。
あとがきでは、「伊藤計劃」の小説に強く影響を受けているとの事だが、
小説未読でも全く問題なく、面白い。
戦争のない世の中とは・・・
その人類の永遠の課題に対する、
答えが知りたい人に、手に取ってほしい。
作者「庄司創」から目が離せない最近である。