相変わらず面白いのだが、
単行本を毎回、強烈に続きが気になる引きで
終わらせるのをやめて頂きたいものである。
ついに物語は19世紀のパリと日本の
パラレルな進行となったが、
ここからどのように着地させるのか、
作者の本領発揮となるのだろうか。
今までの作品群より圧倒的に
エンターテイメントの性質を高めている本作の
決着が今から楽しみである。
しかし、相変わらず巧い。
マンガ表現的な意味では、
登場以来、伊達メガネで表情が見えなかった「小浦百年」が
素顔を見せる事で、全く違うキャラクターのように
見せている描写が素晴らしい。
今まで描かれなかった目元の表情を、
豊かに描く事で、別のキャラクターを産み出すという
実験に成功している。
また、3巻は「大浦慶」の過去を描いた短編が収録されたが、
平らな顔の日本人の老若を書き分けられる、この技術は凄い。
モーニングで連載中のミシュラン調査員を舞台にした
「エマは星の夢を見る」も高いレベルを維持できているし、
今年は確実に「高浜寛」が総合ランキング入りしてくるだろう。
今のうちに読んでおくことをオススメしたい。