原作者「津原泰水」の傑作を「近藤ようこ」が
マンガ化した本作だが、それにしても凄い作品である。
多少マンガを読み慣れた人ならば、
数ページ読んだだけで本作の
異様なまでの魅力が理解できるだろう。
戦時中という非日常の中に障碍者や異形の生き物という
マイノリティーを混ぜ込みながらも、
あくまで淡々と続いていく力強い物語に
読者は必ず最後まで、読まされてしまう。
そんな迫力をもった傑作である。
小説作品のマンガ化はあまり好きでないのだが、
これは見事に成功した事例である。
勿体ないのであらすじは書かないが、
この作品は読んでおいた方が良い。
和風な世界の淡々としたSFは、
かつて一世を風靡したSFマンガを
もう一度流行らせるカギかもしれない。