完結まで20年である。あまりに長すぎた。
90年代後半に颯爽とあらわれた、
麻雀マンガの大傑作。
作者「伊藤誠」が描く魅力的な描線は、
当時の麻雀マンガのクオリティを
明らかに超えていたことが思い出される。
また、動物になぞらえた超能力をもつ、
魅力的なキャラクター群と、
裏社会の不気味さの共存も見事で、
中盤の山城麻雀編で完結していれば、
麻雀マンガ界の不朽の名作の一つになりえただろう。
しかし、近代麻雀お得意の引き伸ばし作戦の犠牲になり、
17冊の完結まで、とうとう20年かかってしまった。
後半は最早、単なる異能バトルや格闘漫画に成り下がっていたが、
ラストは、一応決着をつけているので、そこだけが救いだろうか。
誠に勿体ない作品であったが、
作者の何らかの次回作に期待したい。