うる星やつらで磨かれたショートギャグと、
めぞん一刻で発揮されたラブコメの
2つを混ぜ合わせただけでも凄いのに、
そこにバトル要素も加えたわけだから、
この作品が売れないわけがなかった。
しかし、売上面で「高橋留美子」最高の結果を残した本作が、
マンガ作品として前述の2作を凌駕したかと問われると、
その答えは難しい。
勿論、円熟期に入った作者の描く、キャラクターの動きは抜群で、
るーみっくわーるどの一つの完成形ではあるのだが、
ギャグ、ラブコメ、バトルの三兎を追ってしまった結果、
作品の軸がぼやけてしまったのは避けがたい事実であろう。
また、中盤以降のバトル展開におけるマンネリ感も
マンガ作品として評価を下げている点である。
この辺り、うる星やつらにも同じ現象が起きてもおかしくなかったのだが、
それを感じさせない作品に仕上がっていたのだから、
当時の作者の才気には凄まじいものがあった。
ただし、これらの総評はあくまで天才「高橋留美子」だからこその
厳しい評価であり、本作自体がマンガとして、
一流の位置にいる事は疑いのない事実。
毎週の締め切りに追われ、
それでも読者の楽しみの為
自身の過去と闘い続ける孤高の週刊連載マンガ家は、
やはりマンガ界の最高峰なのである。
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