近年、最も注目に値する新人マンガ家を問われれば、
本作の作者「ニコ・ニコルソン」と答えたい。
まだ「ストーリー漫画」を目指すのか
「エッセイ系マンガ」でいくのかはわからないが、
エッセイ系では十分に一流の仲間入りができるレベルだ。
本作は、東北大震災で実家を流された作者が、
その出来事から自宅の復興までを描いた作品だが、
これほど難しいテーマを、時に面白く時に寂しく、
描き切ったそのバランス感覚を称賛したい。
近年のエッセイ系マンガの大傑作として、
本作は必ず読むべき作品だ。
また、その事は本作に寄せられた
応援コメントの作家陣の
レベルの高さからも証明されている。
いがらしみきお
羽海野チカ
中村明日美子
日本橋ヨヲコ
古谷兎丸
etc
これだけ尖ったメンバーを集めた、
ペーパーもまずお目にかかれない。
惜しむらくは、この豪華メンバーのメッセージが、
初版本にしかついていない点だろう。
オススメの一作である。