つれづれマンガ日記 改

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未来日記

未来が見える12人の日記所有者による、
世界を賭けたバトルロワイヤル。

マンガとはいえ、登場人物が
次々と死ぬ描写が続出するので、
その手の話が苦手な方は
避けたほうが無難だろう。


ただ、良くも悪くもそこまで
リアル系の画力がある作者ではないので、
マンガとして割り切って読める方なら問題ない。


また、ストーリー構成や伏線回収も
花子と寓話のテラー 」よりかは向上しているが、
細かい部分では粗が目立つ。
しかし、それらの欠点を補ってなお、
余りある魅力を放ったのが、
本作のヒロイン「我妻由乃」の存在だろう。


このキャラクターこそが
未来日記の本当の主人公である。

ヤンデレ」を体現した、
ストーカーを超える粘着気質の性格と行動は、
ヒロインとしてはギリギリだったが物語の根底を、
ストーリー的にもキャラクター的にも支えた最重要人物だった。


ヒーロー「雪輝」のキャラクター性を変更しても
本作は破綻しないが、
ヒロイン「由乃」のキャラクター性が変わってしまえば、
間違いなく本作は崩壊する。

その意味で、11巻ラストの「由乃」の叫びは、
未来日記という作品の本質を表現していた。

魅力的なキャラクターが一人産まれれば、
物語もまた、魅力的になっていくという
パターンの最たる例だろう。

その意味では、
近年では「球磨川禊」に匹敵する
記憶に残る名キャラクターだった。

「我妻由乃」を知る為だけでも、
一読に値する作品である。

本編完結後を描いた「未来日記リダイヤル」を
蛇足と読むかどうかは好みの分かれるところではある。

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