物凄く久しぶりに更新。
近年の音楽マンガの中では最も売れたであろうと思われるBECKを
久しぶりに再読した。
何のとりえもないと思われていた主人公が、
音楽と出会い、その才能が開花していく展開そのものは王道で、
非常に面白いのだが、唯一の難点は作品の長期化である。
全34冊、読んでいて面白くないわけではないし、
序盤の頃の勢いや最終章などは最高に面白いのだけど、
どうしてこんなに薄く引き伸ばされた印象を受けるのか。
その原因が、複数の要因をまとめて放置し続けたストーリー構成にある。
メンバー間の諍い、海外マフィアの存在、ヒロインとの関係、
それら全てを中後半は引きづりまくって、どれにも決着をつけないまま、
最終章になだれ込む。
これだと読んでいる方は、なんとも締まりのない、
引き伸ばしを延々と感じながら作品を読む事になってしまうのである。
作品の構成という問題点をのぞけば、
ストーリーよし、キャラクターよし、オリジナリティありの名作なのだが、
そこだけは残念だった。
マンガ作品には珍しい、単行本を全て通して読むより、
毎月ライブ感を楽しみながら読むほうがオススメできるという
ある意味、ロックマンガの名に相応しい王道の名作だろう。