まさかの新作劇場アニメとなった、
懐かしの「はいからさんが通る」
70年代の少女マンガは、
「ベルサイユのばら」や「ポーの一族」等、
その後の少女マンガの系譜ともいうべく、
ハイレベルな作品が揃った時代である。
そして、女性主人公のラブコメというテーマにおいては、
この作品こそが「少女マンガ」の系譜の
原点にあたる作品だと個人的には考えている。
とにもかくにも主人公「紅緒」の魅力が圧倒的で、
今読み返しても、全く古さを感じさせない。
また、少尉や編集長など、脇を固めるキャラクターも
非常に魅力的。
そして、「大和和紀」ならではの画力が織り成す、
様々な和装、洋装の数々にも、
大正時代への浪漫を感じさせられる。
ストーリーは、コメディ調を適度に挟みながら、
これでもか、とドラマチックに描かれる怒涛の展開。
オリジナリティに関しては、もはや説明するまでもないだろう。
大正時代を描かせた作品としては、
この作品こそがマンガ界のオリジンなのだから。
以上のように結局のところ弱点がなく、
今読み返しても、驚くほど面白い。
色褪せない名作とは、このような作品の事なのだろう。
未読の方は必ず読むべき少女マンガの原点である。