高橋留美子お得意の奇抜なキャラクターが住まう
アパート「一刻館」を舞台に展開する
浪人生と管理人さんの恋愛物語。
夫と死別した未亡人という設定は、
斬新さも素晴らしいが、それ以上に、
この難題だらけの設定を
使いこなした点を作者の天才性を高く評価したい。
そもそも、斬新な設定は思いつくのは簡単だが、
それを物語に落とし込んだときに
破綻せずに描けるかが重要なのだ。
おそらく凡百のマンガ家では、この設定は使いこなせない。
愛していた過去の男とどう決別するのか。
新しい男はそんな女性をどう受け止めるのか。
それらの答えが全て、最終巻
「春、桜の木の下で」
の中で描かれている。
このシーンが思いつけたからこそ、
本作を描ききれた、と後に高橋留美子に言わしめた名シーンは、
長い年月を経た今もなお、マンガ好き達の間で語り草となっている。
ラブコメディの大金字塔である。
めぞん一刻全10巻完結(ワイド版) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 高橋留美子
- 出版社/メーカー: 小学館
- メディア: コミック
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