つれづれマンガ日記 改

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ご近所ヒロイン ~ 雪乃すくらんぶる

総合評価・・・3.36


懐かしのNORAコミックスである。

作者「井原裕士」の初連載作品という事で1巻の最初に収録されている読み切り「雪乃エマージェンシー!」の初出がなんと1993年だった・・・。

個人的にはノーラコミックス全般は若いころに読んでいた少し古い時代の作品という認識だったが30年前となると少し古いどころではない。大昔である。時の流れがやばい。

物語としては90年代にはすごく流行った類の作品で、主人公「倉久雪乃」は普段は眼鏡におさげの地味な女子高生だが、その正体は正義の味方「白雪仮面」というスーパーヒロインで、彼に惚れてしまった一般人の男子高校生「広崎巽」との日常SFラブコメを描いている。

この手の正体を隠して活躍するスーパーマン的な話は、今読んでもなかなか面白いのだが最近ではほとんど見ないのはテンプレ化しすぎてしまったのだろうか。

また、もう一つテンプレと言えば、お隣に住む科学者「鷹群のおじさま」が実は白雪仮面の秘密を狙う組織の親玉、みたいな展開も凄い好き。

お互いの正体を知らないお隣さん同士(1巻より引用)


この手の相手側の親玉がお隣さんという設定は、ブログ主の一番古い記憶だと「ドテラマン」が思い出させられるのだが一番元祖となるのはどの作品なんだろうか。

あと個人的に気になったのは、私自身は長い間マンガを読んでいるので違和感なく本作を楽しめたが、最近のマンガを読んでいる人が読むと本作の作画・コマ割り・キャラや演出などはやはり古臭く感じるのだろうか、それとも今でも面白い作品なのだろうか。

ちなみにWikiに記載されている「ゆりかすくらんぶる」という後日談的な番外編も読んでみたいのだが、もはや読む手段が存在しない。残念。

ともあれ地味かもしれないけど、小さい町内の中で動き回る主人公と、その周囲の友人や人間関係を交えたドタバタラブコメはやっぱり鉄板で面白いジャンルなので、90年代マイナー連載が好きな方なら必ずおススメできる作品である。