つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

ワッハマン

奇妙な日常を描かせると右に出るものはいないマンガ家
あさりよしとお


1万年もの昔、
敵を抹殺するために創られた
人造人間ワッハマン


不死の存在である彼は、
しかしそのあまりに長い年月故に
自分の敵や使命を忘れてしまっていた。


ギャグマンガに見せかけておいて時折シリアスを挟み込む技術は、
相変わらず他のマンガ家の追随を許さない腕前。

またエヴァンゲリオンのデザインにも参加していた
そのセンスの高いキャラクター造詣も
本作の不気味な雰囲気を高めるのに役立っている。


徐々に明かされていく伏線と共に、
ひたすら不安と暗さが増していく展開も見事。


そして、それらを全て吹き飛ばす、
爽やかなラスト。


最終回で「泣き笑い」してしまった作品は、
後にも先にもこのマンガだけだった事を付け加えておきたい。


宇宙家族カールビンソン」が未完である点を考慮すると、
作者の最高傑作は、やはりこの作品なのだろう。

f:id:mangadake:20180212192308p:plain