後に、数々の同系統の作品を描き続ける事になる
作者「刃森尊」の最高傑作と言えばこれだろう。
超貧弱な主人公「沢村典隆」が、
蹴道部のスキンヘッドのコーチ「丸山」から、
一見遊びにしか見えない謎のトレーニングを仕込まれていく事で、
次々巻き込まれる学校内外の強敵をなぎ倒していくという、喧嘩マンガである。
当時にしては珍しく、試合中に格闘理論の説明が多かった点も特徴である。
全18冊、
悪運から強敵に喧嘩を売られ、仕方なくコーチとトレーニングし、
最後には何とか勝利するという様式美とも言えるほどの同じパターンを
これでもかというほど繰り返す作品なのだが、
後半こそマンネリ化するものの、主人公の悲惨なキャラクターが面白くて、
ついつい読まされてしまうわけである。
その画風が独特過ぎる事から、マンネリ化に陥り、
長きにわたって似たような作品しか産み出せていなかった作者だが、
まさか「ネイチャージモン」という類を見ない濃いキャラクターで
再起するとは思わなかった。
そんな作者の懐かしの初期作品として、
格闘マンガが好きな方にオススメしたい。