(2013年評)
久しぶりの酷評なので、
ファンの方は読まない事。
当初、連載が始まった時点では、
私はこの作品を避けていた。
なぜなら、作者「穂積」の作品だからだ。
内容的には凡庸に見えた
「式の前日」があれほど売れた理由は、
今まで女性マンガを手に取っていなかった
読者層に巧みなマーケティングで
作品が届いたからだと個人的には見ている。
普段から、多少マニアックなマンガ雑誌や、
女性向け雑誌の読み切り短編を読んでいる読者なら、
「式の前日」にあれほどの高評価はつけない。
なので、マーケティング勝ちした作者だなぁ、と思っていた。
そんな作者が、なんと「ゴッホ」をテーマに
連載を始めた。それが「さよならソルシエ」。
単なる話題先行マーケティング本を狙っているのか。
それとも、実は本当に作者の描きたいテーマを描いた
本物の作品なのか。。。
どちらに転ぶのかが怖くて、手に取るのを躊躇っていたら、
いつのまにか連載が終わってしまった。
そして、結果としてこの作品は、
このマンガがスゴイのオンナ編で第一位に選ばれた。
しかも2冊完結の短編にかかわらず。
この作品が本物かどうかは、
読んでいただければわかるだろう。
ただし、購入してまで読む価値はない
というのが個人的な感想だ。
特にオチは酷い。
歴史上の偉人への敬意がなく、
奇をてらう為に、歴史上の偉人を踏みにじる、
創作者の傲慢に満ちたラストだった。
「ゴッホ」というテーマに作者が正面から向き合えば、
もう少し面白い作品が描けた気がするのは、
私の買いかぶりだろうか。