落語をテーマにした異端の本作も
全10冊でついに完結。
半端なヤクザ者の主人公「与太郎」と
芸事を極めた師匠「八雲」の二人の
掛け合いを楽しむ序盤の面白さは圧倒的で、
新時代の落語マンガの登場を思わせた本作だったが、
最終的に、想像以上に少女マンガに
落ち着いてしまった点は個人的には無念。
落語心中が、
落語を後世に残さず、
落語と心中する八雲師匠をテーマにした作品と思いきや、
色事の心中が中心になってしまうとは、
物語作りはやはり難しいものである。
最終巻の数ページの話は、
個人的には完全に蛇足。
落語作品の表現力としては、
頭一つ抜けていただけに、
非常に悔やまれる構成であった。