つれづれマンガ日記 改

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コータローまかりとおる!

最後のシリーズが連載中断となり、

早十数年が経過してしまった為、
昨今のマガジン読者には、
未読の方も多いかもしれない。


しかし、本作
コータローまかりとおる!」は、
マガジン史上において外せない名作である。


全59冊は、なかなかの時間を要する大作だが、
物語は全7部に分かれており、最終的にはきれいに纏まっている。


当初は、よくありそうな学園アクションコメディ作品が、
次第に、バトル、スポーツ、バンドとテーマを増やし、
またそれに応じるように作者の画力も大幅に向上していく経緯は
読んでいて大変楽しいものがある。


また、もう一つ本作から学べる点は、
自身の描いた伏線はきっちり回収するという
作者「蛭田達也」のプロ意識の高さである。


本作の最終章は、あるキャラクターに
焦点が置かれて物語が進む。


しかし、実はこのキャラクターは、
映画版に勝手に登場したオリジナルキャラクターだったのだ。


それを勢いで漫画版にも登場させてしまったものだから、
どうやってこのキャラクターの存在を回収させようかと、
およそ最終章まで作者は苦戦する事になる。

ところが、読者として読んでいる限りは、
それらの楽屋事情はあまり伝わることなく、
大掛かりな伏線を絡めて、見事に回収される。


これだけの展開が、
当初から全く想定されていなかったというのは、
逆に恐ろしいな、と感心させられたものだ。

プロマンガ家かくあるべし。


ちなみに続編「柔道編」や、「L(リミテッド)」を読まなくとも、
本作はそれだけで完結しているのでご安心を。

是非とも読んで頂きたい大作である。

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