作品発表から早20年以上ということで、
なかなか古本屋でも見つけづらくなった本作を久しぶりに再読。
いやぁ、懐かしい。
好きだった作品も10年ぐらい読まないと、
それなりに忘れるもので、
再読すると当時の感動が甦ってお得な気分である。
設定自体は、至って単純な学園ドタバタコメディ。
主人公三四郎の前に突然現れた押しかけの許嫁が、
馬鹿力の大和撫子という設定で、
眼鏡の可愛い女の子が馬鹿力というのは何ともDr.スランプを彷彿させる。
また、季節ごとの学園行事やイベントで、
登場キャラクターが暴れまわる展開は、
学園作品の王者、うる星やつらを思い出させられ、
この2つを足して割ったという説明がぴったりの作品である。
しかし、それだけしかウリがなければ、本作も芽が出なかったかもしれないが、
連載を続けるにつれ徐々に作者「きくち正太」の才能が爆発。
特に9巻の「ザ・ラストワルツ」は畢生の出来栄えで、
20年前にこの作品を描いた時点で、
現時点までの作者の成功は保証されていたのかもしれない。
また、後の「おせん」等の系列に連なる、
日本文化への敬意や、粋の文化等も
既にこの時から根付いており、
まさに作者の原点ともいえるべき作品である。
また、氏の作品の中でも、
綺麗に完結している点も高く評価したい。
個人的に「きくち正太」の往年のファンという事もあって、
多少下駄を履かせて殿堂入りさせておく。
今となってはなかなか綺麗な状態では手に入りづらいので、Kindle版をおススメしておく。
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