つれづれマンガ日記 改

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作者の原点 ~ 三四郎2 さんしろうのじじょう

作品発表から早20年以上ということで、
なかなか古本屋でも見つけづらくなった本作を久しぶりに再読。

いやぁ、懐かしい。

好きだった作品も10年ぐらい読まないと、
それなりに忘れるもので、
再読すると当時の感動が甦ってお得な気分である。


設定自体は、至って単純な学園ドタバタコメディ。

主人公三四郎の前に突然現れた押しかけの許嫁が、
馬鹿力の大和撫子という設定で、
眼鏡の可愛い女の子が馬鹿力というのは何ともDr.スランプを彷彿させる。

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ヒロイン三四郎のいいなづけ設定から始まる1巻

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眼鏡で馬鹿力が何ともアラレちゃん(1巻)

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隣に引っ越してくる中国娘もDr.スランプっぽい(3巻)


また、季節ごとの学園行事やイベントで、
登場キャラクターが暴れまわる展開は、
学園作品の王者、うる星やつらを思い出させられ、
この2つを足して割ったという説明がぴったりの作品である。

 

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季節毎の学校行事とキャラクター群の面白さ(4巻)

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初の長編となった柔道編の檜垣葵(7巻)

 





しかし、それだけしかウリがなければ、本作も芽が出なかったかもしれないが、
連載を続けるにつれ徐々に作者「きくち正太」の才能が爆発。

特に9巻の「ザ・ラストワルツ」は畢生の出来栄えで、
20年前にこの作品を描いた時点で、
現時点までの作者の成功は保証されていたのかもしれない。

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圧倒的な傑作 ザ・ラストワルツ(9巻)



また、後の「おせん」等の系列に連なる、
日本文化への敬意や、粋の文化等も
既にこの時から根付いており、
まさに作者の原点ともいえるべき作品である。

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渋めの名作短編が増える後半(16巻、18巻)



また、氏の作品の中でも、
綺麗に完結している点も高く評価したい。


個人的に「きくち正太」の往年のファンという事もあって、
多少下駄を履かせて殿堂入りさせておく。

今となってはなかなか綺麗な状態では手に入りづらいので、Kindle版をおススメしておく。


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三四郎2 20 (少年チャンピオン・コミックス)

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