十数年前に始まった、天才「那州雪絵」の
復活を感じさせた魔法使いの娘シリーズも、
ついに最終7巻で完結してしまった。
この十数年、オカルト系作品としては、
最高峰の面白さを保ちながら、
毎年1冊程度の単行本を楽しませて頂いたものである。
そんな作品の続きがもう読めないかと思うと、
これ以上ないほど悲しい。
特に、前作「魔法使いの娘」は、
こんなに面白い作品の知名度が
どうしてこんなに低いのかと悶えたくなる
屈指の出来栄えの作品で、
その辺りのところは、
以下の過去レビューを参考にしてほしい。
ともあれ続編の「非ズ」が終わったわけだが、
魔法使いの娘ではない何かを求める初音の物語として、
各短編の面白さは、前作と変わらないレベルであった。
しかし、前作の中心に親子の物語と
大きな伏線が存在していたのに対して、
「非ズ」の物語はその点どうしても
力不足が否めなく、ついに最終7巻まで
前作の面白さには及ばなかった印象である。
もちろん、どのオカルト短編も間違いなく面白いし、
否定するつもりは毛頭ないのだが、
それぐらい前作のカタルシスは素晴らしかったのだなぁと
改めて感慨に浸る次第である。
ともあれ、この作品を未読では、
マンガ読みとしてあまりに勿体ないので、
何はなくとも旧作から手を出してほしい。
魔法使いの娘ニ非ズ コミック 1-6巻セット (ウィングス・コミックス)
- 作者: 那州雪絵
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: コミック
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