相変わらずの島本節が展開する、
逆境ナインに続く男の道三部作の第二弾。
自ら掘った墓穴に自ら落ちる主人公、
「堀田戊傑」(ほったぼけつ)が繰り広げる物語だ。
ここまでの設定は大変面白かったが、
いかんせん、勢いだけで突き進みすぎた。
学園内の物語で収まる第一部完結までは理解できるとして、
第二部の宇宙人が出てきてからはもはや
意味不明度が高まりすぎて、勢いのみの作品になってしまった。
逆境ナインも確かに勢いのみの作品なのだが、
両者の間は大きな溝がある。
そもそも島本作品はSF要素など加えなくても、
その意味不明さにおいて十分にSF的なので、
そこにさらに本物のSF要素を追加してしまったことから
悪い化学変化を起こしてしまったようだ。
振り返ってみると、個人的に好みの島本作品は、
設定自体は単なる学園モノであったりする事が多い。
逆に「炎のニンジャマン」のような
奇想天外な要素が入るほど、
面白さが減少してしまう気配がある。
どうしようもないくらい小さな日常の出来事を、
どうしようもなく派手に
どうしようもなく大げさに
どうしようもなくバカバカしく
そんな展開こそが島本作品の醍醐味なのだろう。