つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

めぞん一刻

高橋留美子お得意の奇抜なキャラクターが住まう
アパート「一刻館」を舞台に展開する
浪人生と管理人さんの恋愛物語。

夫と死別した未亡人という設定は、
斬新さも素晴らしいが、それ以上に、
この難題だらけの設定を
使いこなした点を作者の天才性を高く評価したい。

そもそも、斬新な設定は思いつくのは簡単だが、
それを物語に落とし込んだときに
破綻せずに描けるかが重要なのだ。


おそらく凡百のマンガ家では、この設定は使いこなせない。


愛していた過去の男とどう決別するのか。
新しい男はそんな女性をどう受け止めるのか。


それらの答えが全て、最終巻
「春、桜の木の下で」
の中で描かれている。


このシーンが思いつけたからこそ、
本作を描ききれた、と後に高橋留美子に言わしめた名シーンは、
長い年月を経た今もなお、マンガ好き達の間で語り草となっている。

ブコメディの大金字塔である。

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