つれづれマンガ日記 改

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SLAM DUNK

というわけで、近年のマンガ界における王者「SLAM DUNK」である。

最早説明不要の名作なわけだが、
改めてレビューを書くにあたって読み返したら、
結局3回ぐらい読み返してしまうほど、ハマった。
やはり、この作品の持つエネルギーは凄まじい。

では、どこが凄いのか。

改めて読み直すと、マンガの構成と
作者の成長のスピードが見事にはまった点が
本作を特別な作品に押し上げているといえるのだろう。

この手の、作者が連載中に強烈に成長する作品というのは
昔から鉄板の名作が多く、本作もそのパターンだといえる。

序盤は、桜木花道という素人を中心に描かれる、
学園コメディ作品のような展開で始まるわけだが、
練習試合の陵南戦こそ、まだまだスポーツコメディ作品の色を残しているが、
三井が復帰した後のインターハイ辺りからは、
本格的なスポーツ漫画に展開していき、
本物のスポーツ漫画として開花したのは、
やはり王者・海南戦あたりだろうか。

以後の展開は皆様ご存知のとおりで、
天下の山王戦を最後に圧倒的なテンションを保ち続けたまま
本作は完結するのである。

当時、非常に賛否両論のあった「第一部 完」だが、
職人気質の「井上雄彦」の性格を考えると、当然の結末だったのだろう。
そして、改めて読み直しても、このタイミングで完結を迎えた決断は正しかった。

そんな全編を通して非常に魅力的な物語なわけだが、
改めて読み返すとこの作品の主人公が誰なのかと考えさせられる。

主人公「桜木花道」の成長物語という事は当然ながら、
天才・流川の孤独な闘いの物語ともいえるし、
三井の贖罪の物語でもある。
勿論、宮城もチームをまとめる上で重要な役割を果たしているし、
メガネくんのエピソードも忘れられない物語だ。

しかし、なんといってもこの作品の主人公は赤木なのだという事に、
読後、二十年経ってやっと気がつかされた。

稀有な才能を持ちながらもチームメイトに恵まれず、
それでも自分を信じ続けたこの男がいるからこそ、
この作品はこれほどまでにドラマティックなのである。

神奈川No1プレーヤー牧に堂々と対峙し、
俺は間違っていなかったと確信するシーン。

山王戦における苦い過去と、
現在の力強いチームメイトへの感慨。

後半の感動シーンは全てがこの赤木を中心に演出されている事がよくわかる。
それは素人の天才「桜木」には出せない、この作品の味なのである。

このキャラの立ち方は尋常でない。

「バスケットマンガは成功しない」と言われ続けたた定説の向こう側には、
「スタメンの人数が5人」という主人公サイドのキャラクター達の魅力を
深堀りするには最高の設定ともいえる環境が用意されていたのだから、
なんとも皮肉なものである。

読まずにマンガは語れない、不朽の名作の一つだろう。
ちなみに版の大きさが好きなので、最近の新装再編版ではなく、
昔の完全版を貼っておく。

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