「青春ヒヒヒ」といった狂気のギャグマンガを描いていた「清野とおる」が、
まさか北区赤羽でエッセー漫画の大家になるとは夢にも思わなかった。
そんな作者の異常な執着の集大成ともいえるべき本作。
人生の些細な楽しみにこだわった人々、通称「おこだわり人」に突撃しながら、
様々な他人の人生を覗いていくわけだが、これがどうにも面白い。
特に1冊目は名作揃いで、
「ベランダの男」「寝る男」「帰る男」「コンソメパンチの男」と
相当なつわもの揃いである。
全5冊、徐々に登場する「おこだわり人」がパワーダウンしてしまう気もするが、
それでも常人から見ると、かなり常軌を逸している行動も多く、
一般人の知らない世界をマンガで眺めるという異色の作品。
清野作品の持つ混沌とした笑いが好きな方にオススメしたい。