つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

鈴木みそ」をマンガ家として
復活させたといえる作品。

それが、本作「銭」である。
マンガやアニメの値段から始まり、
自営業の値段、ペットの値段、
エロの値段、そして、人の命の値段。

世の中のお金にまつわるストーリーを
ひたすら描くその作風は、
作者の得意とする取材力をベースにした
スタイルに非常にマッチしていた。

また、コミカルな絵柄から劇画系まで
幅広く描ける技術も、「銭」という
人間社会の最も生々しい媒体を描くのに
適していたと言える。

近年では、ノウハウ知識系のマンガも増えて
この手のジャンルのマンガも珍しくなくなってきたが、
2000年台前半に、このテーマを据えて
連載を続けさせたビームという雑誌の実力に、
改めて驚かされる。

お金にまつわる薀蓄が知りたい方は、
読んで損はない作品である。

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