藤子作品が持つSF=少し不思議な世界に魅了された、
作者「つばな」が描く、日常SF作品。
「高木さん」と「金やん」の
二人の女子高生主人公を描いた本作の不幸は、
同世代の天才「石黒正数」の描く
「それ町」と同じ時代に産まれてしまったことだろうか。
星新一や藤子作品が持つ
「日常の中の淡々としたSF」を
研ぎ澄まされたシュールな作風と世界観で
紙面の上に落としていた序盤は素晴らしかったが、
徐々にキャラクターが丸っこくなり、
可愛らしさに走ってしまった段階で、
作品としての序列が決まってしまった。
この辺り、初期の世界観と目的を
最後まで捨てなかった「それ町」に
軍配が上がるところである。
しかし、二人の主人公の可愛さと友情に走った分だけ、
後半の物語には見ごたえがあり、
作品としては十二分に面白い。
タイトルの「第七女子会彷徨」の秘密と、
それまでの不思議なストーリーの理由が、
見事に明かされる最終巻の回収も素晴らしい。
日常系とSFのサスペンスを併せ持った秀作である。