非常に良い意味で、独特の作品である、
莫大な遺産を継いだ令嬢と、怪人二十面相の物語で、
クラリスとルパンの続きを描いたかのような作品。
衝撃的な展開といい、設定といい、
なかなかに続きが気になる序盤に比べると、
中盤以降がやや弱いのは、
巻末で作者が語るように読者の希望に応えて
ストーリーに「ある変化」を加えてしまった故である。
マンガ家は読者の声も気になるところなので、
それに併せて作品展開を変えてしまうケースも
ままあることだが、やはり当初案のストーリーで進めたほうが、
最後のカタルシスは大きかっただろう。
ちなみに、本編全8冊のほかに、
過去編を描いた「うつしよの夜」と
完結編の「少女探偵団」があるので、
全部読まれたい方はそれも併せて読む必要がある。
作品の雰囲気と画風も大変マッチしており、
「小原愼司」の他の作品が読みたい。
シリーズ通して全11冊。オススメである。
二十面相の娘 うつしよの夜 1<二十面相の娘> (コミックフラッパー)
- 作者: 小原愼司
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2014/07/31
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二十面相の娘 うつしよの夜 2<二十面相の娘> (コミックフラッパー)
- 作者: 小原愼司
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二十面相の娘 少女探偵団<二十面相の娘> (コミックフラッパー)
- 作者: 小原愼司
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