彼の声が気になり、告白を決意した
主人公「佐和」が目にしたのは、
その声を武器にして、警察組織に加勢している、
クラスメート「辛島」の姿だった。
辛島の声は、独特の響きを持ち、
聞く人をその命令に従わせる不思議な力を持つ。
それ故に、彼は普通の人間との接触を恐れ、
けれども「佐和」はそんな辛島に惹かれ。。。
万能の声の持ち主との恋愛に加えて、
「緑川ゆき」らしい、美麗な描写。
そして、反面、一介の高校生が、
警察の事件に関わっている
ご都合主義的な部分も含めて
良くも悪くも非常に少女マンガらしい作品。
はっきりとわかることは、
この頃からやはり、
非日常を得意とするオリジナリティが
発揮されている点だ。
その意味で夏目友人帳で選ばれた
妖怪というテーマは、
至極当然だったのかもしれない。
作者の変遷を見るうえでは、
面白い作品。